研究課題/領域番号 |
20K18844
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
三島 有華 東京医科歯科大学, 東京医科歯科大学病院, 特任助教 (90828906)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 抗菌薬適正使用 / 集中治療室 / 抗菌薬使用日数 / 多職種回診 / 広域抗菌薬 / 抗菌薬使用日数 |
研究実績の概要 |
ICUは重症感染症患者が多いため広域抗菌薬の使用が許容されやすく、耐性菌発生リスクが高いことから重点的に抗菌薬適正使用支援プログラム(ASP)を導入すべきとされるが、本邦では感染症医が少なく人的資源が限られるため整備が遅れている。本研究では、感染症医が常駐していないICUで抗菌薬適正使用支援プログラム(ASP)を導入した効果を明らかにすることが1つ目の目的である。ASPの手法として薬剤師を含む多職種での回診を2016年10月から、抗菌薬が適正に使用されているかを振り返るTime outを2018年6月から導入しており、現在も継続している。 2021年度は、Time outがICU患者の生存退院ハザード、生存退室ハザードに与える影響について患者の年齢、性別、重症度などを因子にした多変量解析を行い、Time out開始後に生存退院ハザードが改善したことが明らかとなった。この結果は現在論文投稿中である。加えて、配属された1名の学部学生とともに、ICU入室24時間以内に抗菌薬投与された患者を検討した。広域抗菌薬からより狭域抗菌薬へ変更されたかどうか(de-escalation)について患者背景と転帰を検討し、de-escalationによって患者転帰が悪化しなかったことを明らかとし、学会で発表した。 2022年度は、de-escalationに関して論文を投稿する予定である。さらにICUでの抗菌薬適正使用のプロトコルの提案を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Time outの効果について論文投稿中である。de-escalationの背景因子と転帰の研究にも着手することができた。
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今後の研究の推進方策 |
de-escalationについて論文投稿をすすめる。ICUでの抗菌薬適正使用のプロトコルを提案する。その過程でICUにおける院内感染のサーベイランスもすすめ、適正使用に活かす予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者の研究以外の業務(臨床業務、集中治療部運営)の多忙により研究に当てられる時間が少なかったため、研究費を想定した金額ほどは使用しなかった。次年度は部署内で調整し研究へ割く時間をさらに増やし、論文発表などの諸経費として使用する予定である。
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備考 |
講演:「安定期〜下降期にある糖尿病患者のACPに関する提案」CRESCIUSリサーチセンター,糖尿病看護認定看護師と救急看護認定看護師のためのキャリアアップ講座,2022年
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