研究課題
最終年度は、全国一般住民を対象とした前向きコホート研究の追跡調査を実施し、プライマリ・ケア機能(日本におけるかかりつけ医機能)とCOVID-19パンデミックにおける入院リスクとの関連を世界で初めて検証した。その結果、Japanese version of Primary Care Assessment Tool (JPCAT)を用いて評価したかかりつけ医機能は量-反応的にコロナ禍での入院リスク低下と関連することが明らかになった。この様なかかりつけ医機能の価値を検証する研究は、医療政策上重要であるにも関わらず、これまで実施されてこなかったが、本研究の結果から、質の高いプライマリ・ケアによって、パンデミックにおける健康状態悪化の予防だけでなく、入院医療にかかる負荷の軽減や医療費の削減も期待できると考えられた。研究期間全体を通じて実施した研究の主要成果をまとめると、全国一般住民を対象とした前向きコホート研究によって、COVID-19拡大後には、新たな健康問題が生じた際の診療所・一般病院外来受診が、特に高齢者で顕著に減少したこと、またそのようなプライマリ・ケアへのアクセスが低下したパンデミック下においても、かかりつけ医、特に高いかかりつけ医機能を発揮する医師を有する住民は、提供される予防医療の質が高く、入院リスクも低下することを初めて明らかにした。これらの研究成果は、かかりつけ医機能の強化やプライマリ・ケア専門医(総合診療専門医など)の育成をはじめ、 我が国でプライマリ・ケアの強化を政策的に推進する上での基礎資料になると考える。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件) 備考 (2件)
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