研究課題/領域番号 |
20K18854
|
研究機関 | 沖縄国際大学 |
研究代表者 |
大城 絢子 沖縄国際大学, 経済学部, 講師 (70773399)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 言語処理 / 法情報 / 臨床研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、臨床研究を対象に施行された複数の法令の可読性向上のために、法令間の特徴と関連性を抽出および可視化することを目的としている。今年度は法令間の関連性抽出のために、 1.各法令文のロジック構造表現 2.ロジック構造化した法令間の類似度計算 3.法令間の参照関係の抽出 4.単語一致率を用いた各法令間の条レベルでの類似関係の計算 をおこなった。 1. 法令文がある一定のルールに基づいて設計されているという特徴を踏まえ、本研究で用いる法令文データをロジック構造へ変換することとした。それにより法令特有の表現を除去することで、本来の法令間の類似関係を求めやすくなると予想した。2. ロジック表現した法令間の類似関係を条文間ごとに算出した。3. 法令文の特徴の調査を進めるにあたり、法令内において同一表現の多用を避けるために条文の参照関係が用いられていることがわかり、これらを整理するプログラムを実装した。4. シンプルに同一単語の含有状況から複数の法令間の類似関係を求めるにあたり、段落レベルつまり条文レベルで、全ての組み合わせにおいて一致度を算出する実験をおこなった。 以上の実験結果より、類似度の分布状況からその特徴を捉えるのが難しいパターンや同一単語の偏り具合などを獲得した。 実装に想定していた以上の時間を要し、実験計画を見直したため進捗が遅れている部分もある。次年度は各法令間の類似関係とその解釈結果を整理してまとめた結果を投稿し、さらにそれらを可視化することを検討している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
ロジック構造表現後の類似度算出のための追加実験を実施したため、研究計画から遅れている。またプログラムの実装が順調に進まず予定より実験に時間を要し、実験計画の見直しをおこない、その結果成果報告も滞っているため遅れていると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定より遅れている部分については、再度研究計画を見直す。まずは単語一致レベルの類似度算出の結果とその解釈について成果をまとめ、実験結果を整理のうえロジック構造表現による類似関係の可視化へ応用させることとする。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により学会参加を見送ったため旅費の未使用額が生じている。また想定していた価格よりも安かったため、物品費に残額が生じた。 実験計画を見直すことで、2020年度・2021年度に予定していた学会・論文での成果報告を今年度に繰り越す予定である。
|