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2021 年度 実施状況報告書

Gender inequalities in poor self-rated health: Cross-national comparison of Japan and Korea

研究課題

研究課題/領域番号 20K18858
研究機関岩手医科大学

研究代表者

高橋 宗康  岩手医科大学, 医学部, 研究員 (20758130)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード国際間比較 / 日本 / 韓国 / 主観的健康感 / Gender inequality / Gender paradox
研究実績の概要

本研究は、日本と韓国の国民を代表するデータを用い、健康状態の男女差を比較することである。両国民の経済社会的因子といったミクロレベルのデータを用い、マクロレベルの日本と韓国の比較(横断解析)を実施する。日本は国民生活基礎調査(2013年)と韓国では、韓国疾病予防センターが実施しているThe Korean Community Health Survey(KCHS)である。2013年の両国の245,043人の参加者から19歳以下を除外し、年齢、性、主観的健康感の項目で欠損値を含むものを除外する。分析対象者は239,076人(日本 12,971人、韓国 226,105人)が分析対象となる見込みである。
令和3年度は、日本(2013年度版)と韓国のデータのクリーニングとして、各項目の測定方法の聴取方法が異なるため、スケールを調整させることに時間を要した。令和3年度中盤にデータクリーニングの作業が終了していたため、解析を実施した。3つのリサーチクエッション(①年代別主観的健康感のパターン② 健康の社会的決定因子③年代別主観的健康感のGender Inequality)について、解析を実施し、初期の結果が得られた。特に統計解析方法や結果の表現の仕方に時間を要したが、全体として一つの結果を導くことに成功した。①は、シンプルに男女別国別に年代ごとの悪い主観的健康感の割合をプロットすることにより、導い出せた。②は、要因を5つのモデルを作成し、要因ごとに順次Adjustすることにより、男女の有病率非を日本と韓国で比較することができた。③は、社会経済因子を教育歴とHousehold incomeに細分類することにより、要因を追求することができた。
なお、日本において2016年度版が申請可能になり、申請しデータを入手した。今後、同じ年代の韓国のデータも入手し、データクリーニングを行っていく。
また、日本の状況をより深く考察するため、健康危機時の日本の行動要因について研究を進めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

得られた韓国のデータは英語と韓国語で記載されていた。変数の説明内容を翻訳など全般について、リサーチアシスタントがオープンリソースの自動翻訳機を用いで集中して実施することにより、短時間で資料を揃えることができた。日本と韓国のデータを合わせることにより、リサーチクエッションに沿って、統計解析を進めることができた。なお解析にあたっては、定期ミーティングを行っているハーバード大カワチ教授の示唆が大きな助けになった。

今後の研究の推進方策

初期の結果について、プロジェクトチームで共有する。そして、批判的吟味を行うことによって、論文の考察部分を深めていく。同時に日本公衆衛生学会に演題発表し、聴衆からの質疑応答によりブラッシュアップしていく。また、健康危機時の日本及び韓国を含む世界の行動要因や主観的健康感の違いは、年代や男女で異なるため、新型コロナウイルス感染症対策の状況も情報収集していく。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、国外の学会発表と年1回の米国におけるミーティングが中止もしくはウェブ対応になったため、旅費の使用が減少した(国際学会は、ウェブ開催のため参加)。データクリーニングを人件費として計上し、計画通りに終了することができたため、リサーチアシスタントの雇用は予定通り終了した。
次年度は、研究の最終年であり、新型コロナウイルス感染症の蔓延で2年間できなかった対面ミーティング(アメリカ ボストン)を行う予定。繰越分は、その旅費と、学会等への成果発表に使用を予定している。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2022 2021 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 5件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [国際共同研究] Harvard University(米国)

    • 国名
      米国
    • 外国機関名
      Harvard University
  • [国際共同研究] Chung-Ang University(韓国)

    • 国名
      韓国
    • 外国機関名
      Chung-Ang University
  • [雑誌論文] Risk Factors of Long-Term Care Insurance Certification in Japan: A Scoping Review2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Shuko、Yonekura Yuki、Takanashi Nobuyuki、Tanno Kozo
    • 雑誌名

      International Journal of Environmental Research and Public Health

      巻: 19 ページ: 2162~2162

    • DOI

      10.3390/ijerph19042162

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Increase in people’s behavioural risks for contracting COVID-19 during the 2021 New Year holiday season: longitudinal survey of the general population in Japan2022

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Shuko、Yamada Shohei、Sasaki Satoshi、Minato Yoichi、Takahashi Naomi、Kudo Keiichiro、Nohara Masaru、Kawachi Ichiro
    • 雑誌名

      BMJ Open

      巻: 12 ページ: e054770~e054770

    • DOI

      10.1136/bmjopen-2021-054770

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Relationship between housing damage and serum cortisol among survivors of the 2011 tsunami disaster2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi S.、Tanno K.、Yonekura Y.、Shimoda H.、Tanaka F.、Sakata K.、Ogawa A.、Kobayashi S.、Kawachi I.
    • 雑誌名

      Journal of Environmental Psychology

      巻: 76 ページ: 101654~101654

    • DOI

      10.1016/j.jenvp.2021.101654

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] The differences of poor SRH among municipalities in Iwate after the Great East Japan Earthquake2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Shuko、Shimoda Haruki、Sakata Kiyomi、Ogawa Akira、Kobayashi Seiichiro、Kawachi Ichiro
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 11 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41598-021-96237-3

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] How Iwate Prefecture in Japan maintained a low COVID-19 infection rate2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Shuko、Kawachi Ichiro
    • 雑誌名

      Western Pacific Surveillance and Response Journal

      巻: 12 ページ: 61~64

    • DOI

      10.5365/wpsar.2021.12.4.859

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [雑誌論文] Low educational level increases functional disability risk subsequent to heart failure in Japan: On behalf of the Iwate KENCO study group2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi Shuko、Tanno Kozo、Yonekura Yuki、Ohsawa Masaki、Kuribayashi Toru、Ishibashi Yasuhiro、Omama Shinichi、Tanaka Fumitaka、Onoda Toshiyuki、Sakata Kiyomi、Koshiyama Makoto、Itai Kazuyoshi、Okayama Akira
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 16 ページ: -

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0253017

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Metabolic Syndrome predicts the incidence of functional disability in elderly community dwellers in Japan: A prospective cohort study of the Iwate-KENCO study2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi N, Takahashi S, et al.
    • 学会等名
      2021 Annual Meeting Society for Epidemiologic Research
    • 国際学会
  • [学会発表] How Iwate Prefecture in Japan maintained a low COVID-19 infection rate2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi S.
    • 学会等名
      The 5th JSCMM Conference
    • 招待講演
  • [学会発表] Increases in behavioral risks for contracting COVID19 during New Year holiday2021

    • 著者名/発表者名
      Takahashi S, Yamada S, Sasaki S, et al
    • 学会等名
      The 80th Annual Meeting of Japanese Society of Public Health

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公開日: 2022-12-28  

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