研究課題/領域番号 |
20K18864
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研究機関 | 愛知医科大学 |
研究代表者 |
中山 綾子 愛知医科大学, 看護学部, 助教 (50831666)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 看護師 / 交代制勤務 / 健康管理 / 職業継続 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,交代制勤務を継続する看護師の健康管理方法の全容を解明し,この結果に基づき看護師個々の健康管理を支援するための教育ツールを開発することである。 この目的の達成に向け,次の3段階からなる研究を行っている。1)5年以上交代制勤務を継続する看護師がどのような方法により日常的に心身の健康を管理しているのかを質的帰納的に明らかにする。2)先述1)の健康管理方法にはどのような特徴があるのかを考察する。3)交代制勤務に従事する看護師の健康管理支援に向け,看護継続教育に活用可能なツールを開発する。 2021年度までに,交代制勤務を継続する看護師による健康管理方法の全容解明に向けた十分なデータを収集するために,質問紙調査を実施した。具体的には,所属機関倫理委員会の承認を得たのち,質問紙の内容的妥当性確認のためのパイロットスタディを経て,全国30病院に勤務する看護師830名に質問紙を配布し,544部を回収できた(回収率65.5%)。2022年度は,自由回答式質問に回答のあった有効回答について,質的帰納的方法による分析を行った。 この分析により,不規則な勤務形態や業務量過剰などにより心身の健康を保ちにくい中,実際に交代制勤務を継続する看護師は,健康を保つために日常的にどのようなことを心掛けたり工夫したりしているのかが明らかになる。また,交代制勤務を継続する看護師が行う健康管理にはどのような特徴があるのか,一般の人々が行うそれとは性質が異なるのかどうか,考察を進める。 実際に交代制勤務を継続している看護師の日常的な健康管理行動は,すなわち看護師であれば誰でも実践できる可能性がある。この成果に基づき,看護師個々の健康管理を支援する教育ツールを開発することは,看護師の職業継続を通し,看護の質向上に寄与する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は,2022年度までに研究成果を看護継続教育に活用するための検討を進めることを目標としていた。しかし,回収できた544部の質問紙および豊富な自由回答データの処理や分析過程に当初の計画以上に時間を要したことに伴い,進捗が遅延し,この目標を達成できなかった。計画を修正し,研究方法論を的確に用いて分析して結果を洗練させるととともに,2023年度中に本研究の目的を達成することを目指す。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は,2022年度までに分析結果を看護継続教育に活用するための検討を進めることを目標としていた。しかし,回収した質問紙やデータの処理,それらの分析過程に時間を要したことに伴い,進捗が遅延し,この目標を達成できなかった。そこで,当初の計画を次のように修正する。 2023年度は,交代制勤務を継続する看護師による健康管理方法の分析を早急に終了したのちに,その特徴を考察し,研究成果を学会等において公表することを目指す。また,本研究の成果を看護継続教育にどのように活用可能なのか,活用による成果をどのように評価するのかを検討することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
分析が遅延したこと,当初の計画よりも物品を安価に購入できたこと等により,次年度使用額が生じた。2023年度も分析を継続するため,必要な物品を購入するとともに,研究成果の公表や活用に必要な経費に充当し,計画的に使用する予定である。
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