研究課題/領域番号 |
20K18877
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
山田 健太 福井大学, 学術研究院医学系部門(附属病院部), 特命助教 (40770376)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | カテーテル関連血流感染 / ニードルレスコネクター |
研究実績の概要 |
本研究はカテーテル関連血流感染を予防するため、ニードルレスコネクターの最適な消毒方法を検証することを目的としている。目的を達成するために実験室レベルでの消毒方法の検証・開発を行う段階と、実臨床で教育・実践しカテーテル関連血流感染を抑制できるか検証する段階の二段階の計画としている。 2020年度は第一段階として、複数菌種を用いてスプリットセプタム式コネクターを汚染し、擬似的にカテーテル内に菌が侵入する実験系の確立を目指した。具体的にはStaphylococcus aureus、Pseudomonas aeruginosa、 Escherichia coli、Enterococcus faecalis、Bacillus cereusを用いた。コネクターを汚染させる菌液の濃度、菌液の菌量、乾燥時間、コネクターを通過させる輸液量、通過液の培養方法などについて検討を行なった。消毒方法については76.9~81.4vol%エタノールのアルコール綿を用いた。まずは単一の方法で汚染したコネクターを消毒し、コネクターを通過してカテーテル内を汚染させる菌量が減少することを確認している。 実臨床での検証はまだ開始できていないが、院内におけるカテーテル関連血流感染のサーベイランスは継続できている。今後の具体的な介入研究に向けて、介入前状況の調査を継続している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ニードルレスコネクターを汚染する実験系を確立するのに、菌液の濃度や菌量を調整することに時間がかかったことが主な理由である。
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今後の研究の推進方策 |
今後はBacillus cereusでも有効な消毒ができるかを検証していく。現在は単一のコネクタを使用しており、市場シェアが高い他社製品も用いて同様の検証を行なっていく。有効な消毒法が確立した上で臨床応用を検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
細菌学的実験に使用する機材を初年度に購入する計画であったが、一度に購入すると期限や保管上の問題が生じることが判明した。そこで使用状況に応じて随時購入することとしたため、次年度使用額が生じた。
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