「がんの治療待ち期間」は、QOLや予後を悪化させうるため短縮されるべき項目の1つである。本研究では、DPCデータを利用して治療待ち期間を算出し、日本における平均的ながん治療の待ち期間を示した上で、それに関連する要因を調べた。分析した結果、精密検査から手術までの期間は子宮頚癌で平均53.7日、中央値は39日で、乳がんでは、平均60.8日、中央値は43日であることが分かった。また、進行したステージが治療待ち期間を短くし、大都市では治療待ち期間が長くなる可能性があることが示された。一方で、がん診療拠点病院や大学病院と一般病院の間では、治療待ち期間に統計学的に有意な差を認めなかった。
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