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2021 年度 実施状況報告書

進化系統学的分類を用いたE. albertiiの同定法確立及び感染経路解明の研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K18920
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

平井 晋一郎  国立感染症研究所, 感染症危機管理研究センター, 主任研究官 (60768894)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードEscherichia albertii / 遺伝子型別法 / 全ゲノム解析
研究実績の概要

令和3年度は①全ゲノム解析に用いるEscherichia albertiiの菌株集団の構築、②全ゲノムデータを用いた進化系統群(PG)への分類法の確立を目指した。しかし、②を進めている中で、オーストラリアの研究者らにより、世界15ヶ国においてヒトや動物から分離された膨大な量のE.albertii菌株のゲノムデータを用いた進化系統学的解析の論文が発表された。この論文の発表により、本研究を当初の計画で進めても新規性がある成果を得られないと思われため、③研究計画の根本的な変更を試みた。
【①全ゲノム解析用のE. albertiiの菌株集団の構築】外部の研究協力者が異動し、共同研究を続けられなくなったために一部の菌株の使用ができなくなった。また、本研究で解析できるE. albertiiは約175菌株となった。パルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)法の製造元が、本機の装置の製造及びサポートを近々、中止すると発表した。以上より、約175菌株のE. albertiiについて、分子疫学的解析法としてPFGE法に加えてmultilocus sequence typing(MLST)法を実施した。得られたデータをデータベースソフトBioNumericsに登録した。
【②全ゲノム解析によるPG分類法の確立】中止した。
【③研究計画の根本的な変更】②以外により、本研究の目的であるE. albertiiの同定法の確立や感染経路の推定を達成できる計画を再構築するために、文献を網羅的に調査した。新しい研究計画に基づき予備実験を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス対応により本研究を実施する時間が減少し、計画通りに進められなかった。その様な状況下において、海外の研究者の論文発表により、本研究を当初の計画で進めても新規性がある成果を得られないと思われたため、令和3年度中に研究計画を根本的に変更したことで進捗が大幅に遅れた。

今後の研究の推進方策

E. coliで実用化されているPCRによる遺伝子型別法をE. albertiiの菌株について実施することで、進化系統学的分類とは異なるGroupingが可能となる。Groupingの結果を利用すれば、各Groupに特異的な遺伝子の特定やヒトへ感染し易いGroupを推定できると思われる。しかし、研究計画の根本的な変更により、研究期間が足りなくなるため、令和4年度に1年間の延長を申請する予定である。
【令和4年度前半】研究に使用できる約175菌株のE. albertii菌株について、大腸菌で実用化されている病原因子保有状況または、リポ多糖コア領域に基づく遺伝子型別法を実施する。その後、大腸菌の系統学的型別も実施する。
【令和4年度後半】MLST法、O血清型別及び遺伝子型別の結果に基づき、E. albertiiをGroupingした後、各Groupに特異的な遺伝子の組み合わせ見つけて同定法を確立する。また、ヒト及び動物間でGroupの類似性を考察することで、E. albertiiのヒトへの感染経路の特定を試みる。
【令和5年度】遺伝子型別による各Groupから代表的な菌株を選び、全ゲノム解析を実施する。全ゲノムデータを解析し、Group間での遺伝的特徴の違いを詳細に調査する。

次年度使用額が生じた理由

【次年度使用が生じた理由】研究計画の根本的な変更が必要になったため、令和3年度後半は文献調査及び計画の再構築を行っており、実験を行える状況ではなかった。
【使用計画】再構築した計画では、令和4年度前半に遺伝子型別法に必要な試薬を購入する。令和4年後半以降、遺伝子型別によりGroupingしたE. albertiiの菌株を全ゲノム解析するための試薬を購入する。

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公開日: 2022-12-28  

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