運動習慣のない乳がんサバイバーに対して、研究者らが開発した自体重による高強度・短時間・間欠的トレーニング(habit-Bプログラム)を提供することの、筋力の維持・向上に関する有効性を検証するランダム化比較試験を実施した。対象者は、50名の運動習慣のない術後ホルモン療法以外のがん薬物療法が不要で、術後2~13か月以内、病期Ⅰ~Ⅱaの18歳以上60歳未満の乳がんサバイバーとした。運動は、自体重を利用した動きを20秒間実施し、10秒間の休息を挟んで8セット繰り返すプログラムとした。habit-B群は、週に3回、合計36回(12週間)のセッションを実施した。介入6週間までは、対面あるいはオンラインによる運動指導を週に1回実施した。それ以外はスマートフォンアプリ内の動画を参考に、参加者が運動を実施した。運動の実施状況の確認は、ウェアラブルデバイスで確認した。54名が研究参加に同意したが4名が同意撤回、合計50名を登録、対照群25名、habit-B群25名にランダムに割り付けた。参加者の登録時の属性情報(平均±標準偏差)は、年齢48±6歳、BMI 21.0±2.1 kg/m2、レッグプレスの最大挙上重量(kg)94.6±31.8 kgであった。主要エンドポイントであるレッグプレスの最大挙上重量の測定を終了した。レッグプレスの最大挙上重量は、対照群と比較してhabit-B群で有意に増加した(平均差13.5 [95% CI、2.9 to 24.1]、p < 0.01)。また、質問票による週当たりの身体活動量(分)の変化について、介入前、介入終了直後とフォローアップ期間である介入終了3か月後、6か月後のデータを解析した。二元配置分散分析を行った結果、両条件間に有意な相互作用効果は見られず、また、各因子の主効果についても統計的に有意な差は見られなかった。
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