研究課題/領域番号 |
20K18929
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
水野 君平 北海道教育大学, 教育学部, 講師 (90862532)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 自尊心 / 思春期 / 第二次性徴 / 問題行動 |
研究実績の概要 |
思春期は第二次性徴の到来の時期であるとともに,児童期に比べ問題行動や心理的不適応が起こりやすい時期であり,近年の児童生徒の暴力行為の件数は顕著な増加を見せている。このような問題行動の原因の1つに自尊心の低さと第二次性徴が挙げられる。加えて,生涯発達の観点から思春期は一般的に自尊心が下がる時期であり,思春期における第二次性徴の到来の早さは自尊心と関連し,問題行動の増加のリスクになると知られている。その一方で,自尊心の低下パターンという縦断的視点を入れて第二次性徴と問題行動との関係性は検討されていない。 本研究の目的は,「北海道スタディ」という前向きコホート(2012年~現在継続中)の協力者の12歳の子どもを半年ごとに追跡する4時点の縦断調査を行うことで,まず自尊心の発達的変化のパターンを抽出することであった。そして,第二次性徴の到来の早さが急激な自尊心の低下などの自尊心の発達的変化のパターンに対してどう影響を及ぼすのか,また,どのような自尊心の発達的変化のパターンが問題行動のリスク要因となるのかを検討することであった。 今年度は北海道大学での倫理審査の承認を受けた。自尊心研究のレビューに加えて対象者となりうる子どもに対して,ローゼンバーグの自尊心尺度を用いて第一時点の自尊心の測定を行った。ただ,新型コロナウイルス感染症のパンデミックの影響で,当初予定していた学会出張ができず,十分な情報収集を行うことができなかった。来年度も継続して自尊心の測定を行い,パネルデータの蓄積に務める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
北海道大学の倫理審査委員会での審査を受けた。また,当初の計画通り自尊心研究のレビューと自尊心の測定を行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
パネルデータを蓄積する際に回答者が減らないように、異議申し立てがあった際には誠意を持って対応することや、回答しやすい調査票を作成することを心がける。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって学会出張がなくなったことで,旅費の執行に大きな減額が生じた。
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