研究実績の概要 |
研究計画では、令和2年度に12~15歳の中学生約2,000例を対象として、IADの有病率・重症度および各種要因を調査するために質問紙調査を実施する予定であった。しかし、新型コロナウィルスによる影響で、対面での調査実施が困難となった。そこで、実施計画を変更し、新型コロナウィルスによる学校休校の影響で、インターネットにかかわる時間がどう変化したのかを調査することとした。 調査方法としては、対面実施が困難であるため、スマートフォンなどのデバイスを用いて、電子媒体によるアンケートを配布することとした。アンケートについては、当初予定していた中学生から幅を広げ、小学生から高校生までの年代とし、対象者はその年代の子どもたちを持つ母親に聴取することとした。スノーボールサンプリングを使い、無記名にてインターネットによるアンケートのURLを配布した。また、以前の研究でインターネット依存は発達障害と関連があることが示唆されていることから、愛媛大学医学部附属病院子どものこころセンター・精神科・松山記念病院に通院している自閉スペクトラム症の患者を持つ母親に、同様のインターネットアンケートを配布した。 ASD群84人(男性63人、女性21人、平均年齢11.6±3.1歳)と年齢性別をマッチさせた対照群361人を調査対象とした。休日のメディア使用について、休校前はASD群で3時間(中央値)、対照群で2時間であったが、調査時ではASD群で5時間、対照群で4時間とASD群,対照群ともに2時間メディアの使用時間が増加していた。特に対照群の増加幅が大きく、学校休校の影響が多大であることがわかった。 本研究結果を踏まえ、次年度は研究計画を拡大し、各年代における問題点を抽出していく。
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