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2020 年度 実施状況報告書

前向きゲノムコホート研究の縦断解析による循環器疾患の発症リスク予測モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 20K18943
研究機関藤田医科大学

研究代表者

藤井 亮輔  藤田医科大学, 医療科学部, 助教 (60823846)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードゲノム疫学 / ポリジェニックリスクスコア / 高血圧 / 遺伝統計学 / コホート研究
研究実績の概要

令和2年度は、本課題の目的である縦断解析におけるポリジェニックリスクスコア(PRS)の構築を目指して、J-MICC Studyのデータセットからランダムに選択された8879人の日本人集団での高血圧の保有状況に関するゲノムワイド関連解析(GWAS)を実施した。このGWASによって、高血圧と関連が示唆された遺伝的多型(SNP、p値<1.0×10-5)は23個(うち、5個がp<5.0×10-8)であった。この結果について、すでに報告されている別の日本人集団での代用も可能か比較・検証する。
また、このGWASによって得られた統計量(ベータ値(オッズ比)、標準誤差、p値)を用いて、PRSを構築する独立した集団(Training set)もJ-MICC Studyの中からランダムに987人(男性451人、女性536人)用意した。さらに、このTraining setで構築したPRSと疾患との関連を検証するデータセットであるValidation setもJ-MICC Studyの1サイトである大幸地区(愛知県名古屋市)から1385人用意した。
PRS研究については、同じ疾患群でも人種間で異なる性能を示すことも知られており、日本人集団を対象として本課題を行う意義は多いにある。一方で、PRS構築の過程については臨床応用を見据えると、世界的に統一した規格で行われることが望ましい。こうした背景から、最新のPRS研究の報告ガイドラインや日本人集団のPRS研究についてレビューした日本語の総説も執筆し公開されている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新型コロナウィルスの感染拡大により、研究計画の変更を余儀無くされたが、解析データの整備および統計学的な解析の実施、方法論のレビューなど今年度の目標は達成している。

今後の研究の推進方策

令和3年度は、今年度準備したGWASのsummary statisticsを使用してPRS構築を進める。PRSice-2などのPRS構築に特化したソフトウェアおよび汎用性の高いプログラミング言語であるRを組み合わせて実施する。PRS構築後は、高血圧とPRSとの関連を大幸地区の集団で横断研究のデザインにおいて検証する。ここでは、高血圧群と正常群の間でのPRSの分布を比較したり、PRSパーセンタイルごとの高血圧保有状況を比較する。
さらに、大幸地区の保有する縦断データを活用した生活習慣、既往歴、血液データとPRSの組み合わせによるリスクモデルの構築も試みる。特に、高血圧との関連が示唆される運動習慣や喫煙などのコホート研究に特有の情報を盛り込める点が本研究の大きな利点になりえると考えている。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウィルスの感染拡大によって、大幅に研究計画(物品費や旅費について)が変更したため、は、次年度使用額が生じた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 日本人集団における循環器疾患に関する生活習慣とゲノム情報の統合解析 -前向きゲノムコホート研究の活用-2021

    • 著者名/発表者名
      藤井亮輔
    • 雑誌名

      BioClinica

      巻: 5 ページ: 41-45

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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