研究課題/領域番号 |
20K18945
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
豊増 謙太 久留米大学, 医学部, 助教 (50837672)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | Homocysteine / ADMA / 縦断研究 |
研究実績の概要 |
申請者のグループは、1958年より世界7カ国共同研究の一環として、福岡県久留米市田主丸町にて経年的に一般住民検診を行っている。2018年には約8か月にわたり、田主丸研究地区の大規模住民検診を行った。検診受診者は計1368名で問診、栄養調査、血圧測定、身体測定、血液・尿検査、心電図、心エコー図検査、頸動脈エコー図検査、認知症検査を施行した。検査結果は検診者に結果についての健康指導をコメントして送付した。 1999年にADMAとHcyの両者を測定し得た対象者517名のうち、2018年の検診受診者は182名であった。その他335名に関して手紙、電話連絡、病院の診療録閲覧を行い、予後調査を行った。死亡者に関してはご遺族や病院より死因調査も併せて行った。研究対象の生存者に関しては田主丸の対象地区の公民館にて血圧測定、既往歴、内服等の問診、頸動脈エコーを含めた簡易の追加調査を行った。また検診未受診に関しては積極的に自宅への訪問調査を行った。予後調査の結果、517名の対象者のうち、生存者:318名、死亡者:182名、生死不明者:17名で追跡率は96.7%であった。SASを用いて解析を行い、ベースライン時のHcyとADMAは生存群と比べて死亡群で有意に高値を認めた。 年齢、性別で補正したCox回帰分析では、Hcyは全死亡と正の関連を認めたが、ADMAは全死亡と関連を認めなかった。Hcy5郡別の全死亡に対するハザード比は最も低い群と比べて最も高い群で様々な危険因子で補正後もハザード比:1.845と高値であった。また全死亡に関してHcyとADMAの相乗効果が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2018年に大規模検診を行い、対象者のうち検診未受診者に関しては予後調査を行い、追跡率:96.7%という結果であった。またADMAとHcyと全死亡に関する有意な結果が得られた。
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今後の研究の推進方策 |
今回の結果を基に論文執筆中である。またHcyとADMAと頸動脈のIMT肥厚との関連に関する検討のため、施行できていない頸動脈エコーの追加評価を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響で参加予定であった国内および国際学会が延期や中止となり、参加学会もweb開催がほとんどであり、旅費が不要であった為。 また行う予定であった宇久町の毎年の定期検診もコロナウイルス感染症の影響で中止となった為。
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