研究課題/領域番号 |
20K18951
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター |
研究代表者 |
石井 秀明 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 老年学・社会科学研究センター, 研究員 (50751046)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 高齢者 / 自動車運転 / 交通事故 / 中止 |
研究実績の概要 |
本邦では、高齢ドライバー数が増加の一途を辿っており、それに伴い、交通事故全体に占める高齢ドライバーの割合も増加している。高齢ドライバーの交通事故対策として、運転が危険な高齢ドライバーに対しては、免許更新の停止や免許返納といった運転を中止させる施策が中心となっている。一方で、高齢者が運転を中止することによって、要介護認定発生のリスクを上昇させることが報告されており、安易な運転中止は高齢期の健康に悪影響を与えると考えられる。そのため、交通事故対策を検討するうえで、交通事故発生に関連するリスクを抽出して運転を中止すべき高齢ドライバーなのか、継続すべき高齢ドライバーなのかの基準を制定することと、運転中止後の健康維持に向けた支援策のために中止理由による予後の差異を検討する必要がある。そこで、本研究は、高齢ドライバーを対象に縦断調査を実施し、交通事故の発生数と交通事故発生リスクの検討、運転を中止した場合の中止理由が予後に及ぼす影響を明らかにすることを目的とする。 2020年度は、調査項目の選定のために、過去のデータベースをもとに横断調査にて事故等に関連する要因や縦断調査にて運転中止に関する論文を執筆・投稿し、整理を行った。また、縦断調査に向けて、研究協力者と対象者の選定や調査項目の検討、予後に関するデータ提供等を含めた行政との折衝などを行った。予後に関する分析を行うために、研究協力者等と打ち合わせを行い、データシステムの構築に向けて準備を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
縦断調査に向けて準備を行い、おおむね計画から外れることなく順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度から所属研究機関の変更に伴い、本研究課題を進めるうえでの環境にも変更が生じるため、研究協力者等との連携に時間を要すると考えられる。綿密に連絡を取りながら、縦断調査を開始できるように鋭意準備を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
参加を予定していた学会がweb開催となったため、次年度使用額が生じた。生じた次年度使用額は、2021年度から研究所属機関の変更に伴い、研究協力者との綿密な連携を行うための費用が必要になると考えられるため、そこに充当する。
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