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2020 年度 実施状況報告書

Less Is More:「低価値医療」の日米比較

研究課題

研究課題/領域番号 20K18956
研究機関東京大学

研究代表者

宮脇 敦士  東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (30841928)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード医療政策
研究実績の概要

「価値の低い医療」について複数の科に渡る専門医パネルから提出いただいたリスト210項目をもとに、2020年6月~2021年3月のかけ、研究協力者(MD)2名とともに、文献レビューを行い、「確実に価値のない」といえる医療で、レセプトデータ等で同定可能と考えられる23項目を同定した。これらには、腎動脈狭窄症に対する経皮的拡張術や、変形性膝関節症を伴う半月板損傷に対する、関節鏡手術のような手術、DICに対するトロンボモジュリンのような集中治療領域の薬剤、風邪予防に対するヨードうがい液や風邪に対する抗生剤などの低価格多量の処方薬などが含まれていた。
これらの項目と米国、加、豪の専攻文献で使われていた低価値医療の項目をもとに、約50項目の低価値医療のリストを確立した。
このリストをもとに2021年度は低価値医療の定量化をレセプトデータを用いて行う。

パンデミック期間中の小児に対する医療提供の推移を観察することで、価値の低い医療の存在を間接的に同定することを試みた。世界的大流行中に子供の感染性疾患や喘息の悪化、外傷による入院が減少していた。このことは、適切な公衆衛生対策を行えば、子供の医療費を削減できる可能性があることを示唆している(Sano K, Nakamura M, Ninomiya H, et al Large decrease in paediatric hospitalisations during the COVID-19 outbreak in Japan BMJ Paediatrics Open 2021;5:e001013.)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

文献レビューを行い、低価値医療のリストを作成することが本年度のマイルストーンであったため、それは達成できている。

今後の研究の推進方策

2021年度は、低価値医療のリストを基に、レセプトデータを用いて、低価値医療の定量化を行う。
確立した低価値医療のリストは、ある疾患や状態に対して特に低価値である、という条件付きである。そのため、NDBオープンデータのように、患者の小兵がないデータでの定量化は困難であることが判明した。そのためそのようなレセプトデータへのアクセスが必要となり、その準備中である。

米国の低価値医療の提供量との比較は、日本のレセプトデータを用いて同定したものを、先行研究の数字と単純に比較する方向ですすめる。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症流行のため、学会出張や海外にて研究を行う際の出張費が計上されなかったため。
論文出版に関わる費用が、精算に係る書類の準備が間に合わず、今年度中に計上できなかったため。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Large decrease in paediatric hospitalisations during the COVID-19 outbreak in Japan2021

    • 著者名/発表者名
      Sano Kazuaki、Nakamura Masaki、Ninomiya Hideki、Kobayashi Yasuki、Miyawaki Atsushi
    • 雑誌名

      BMJ Paediatrics Open

      巻: 5 ページ: e001013~e001013

    • DOI

      10.1136/bmjpo-2020-001013

    • 査読あり / オープンアクセス

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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