研究実績の概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)の患者の患者報告型アウトカム(PRO)の収集と, 回答者が自身の情報の迅速なフィードバックを受ける目的で, ウェブ上(https://decapris.jp/)にプラットフォームを設置してウェブシステムを構築した. 本ウェブシステムに, SLE患者の前向きコホート(3施設・SLE患者191名を登録)の対象者の一部を登録して, PROの収集を行った. 同コホートでは, SLE特異的QOL尺度で測定した心理的健康観の最小重要差(3ヵ月および12ヶ月)を算出した. 各種のPROとハードアウトカムとの関連を明らかにするための予備的資料として, SLE患者の死亡および心血管予後に影響を及ぼすリスク因子を報告したシステマティックレビュー, メタ解析を対象に, レビューを実施し, 結果は第67回日本リウマチ学会総会・学術集会で発表し(令和5年4月), アンブレラレビューとして論文化して査読付き英文雑誌に採択された(令和5年4月). 国内最大規模のSLE疾患コホートであるLUNA(2022年時点で15施設1775名)よりデータ提供を受けて, 心理的健康の年次変化と副腎皮質ステロイド(GC)の年次変化との間の関連を評価し, 先の前向きコホートで明らかになった最小重要差を用いて結果の解釈を行った. 最小重要差(3ヵ月)に関する中間報告は欧州リウマチ学会で発表し(令和4年6月コペンハーゲン), 最小重要差(3ヵ月と12ヶ月)およびその結果の解釈については, 第67回日本リウマチ学会総会・学術集会(令和5年4月福岡)にて発表を行った.
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