研究課題/領域番号 |
20K18965
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
綾仁 信貴 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員講師 (90777939)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 院内暴力 / 違反行為 / 精神科 / 医療安全 |
研究実績の概要 |
本研究の令和2年度は、まず本研究のプロトコルをまとめた内容で、2020年09月28日から09月30日にWebで開催された「第116回日本精神神経学会学術総会」にて発表を行った。その後、本研究の主評価項目である医療現場における暴力や暴言等の粗暴行為や、窃盗や異所喫煙等の違反行為、およびを患者背景や医療者背景、環境要因を精緻に収集するための調査フォームを、研究協力施設の2精神科病院での予備調査を経て作成したが、2020年春以降、新型コロナウイルス感染症(以下、COVID-19)の全国的な蔓延もあり、感染拡大地域である京都から、他府県の研究研究協力施設に訪問して調査を行うことが困難となったこともあり、調査フォームの作成は遅れ、2021年02月に完成した。その後、研究協力施設に勤務する職員の協力を得て、2021年03月18日に作成されたフォームを用いた調査を行ったが、当初想定していたインシデントレポートに記載された内容のレビューを中心とした調査方法では、粗暴行為や違反行為の半数程度しか収集できないことが明らかとなった。03月19日に研究組織内でのミーティングを行い、調査方法を全診療記録による網羅的なカルテレビューによる方法に変更することとした。これに伴い得られるイベントの数が大幅に増加することが見込まれたことから、調査対象期間を当初想定していた2年間から、半年から1年間程度に短縮できることが見込まれた。また、前述のようにCOVID-19の流行に伴う現地調査の困難さに対応するため、現在の研究体制で調査の実施が比較的容易な京都府内で、一定の精神科病床数を有する研究協力施設1施設を新たに加えることとし、本研究申請者の所属する研究機関のIRBに対して申請を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年03月以降の新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により、研究協力施設への訪問と現地での調査を行うことが困難となり、調査に必要な現地での体制構築が進められず、またその結果データ収集を行うことができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
調査対象施設として、現在の研究体制でも調査の実施が容易な京都府内の精神科入院施設を有する医療機関を新たに研究協力施設に加えるための手続きを行っている。また既に研究協力体制が出来ている2精神科病院においても、訪問可能となった際のスムーズな調査実施が可能となるように、リモートでできる範囲の作業を進める。2021年度内にはデータ収集作業を開始し、2022年度中にデータ収集を完了させ、その後のデータ解析と論文化作業に進む予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年03月以降の新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により、研究協力施設への訪問と現地での調査を行うことが困難となったことから、現地への訪問にかかると考えていた旅費や、また現地での調査のために研究補助員に支払う謝金を使用することができなかった。また同様に研究ミーティングのために必要な旅費についても使用できず、参加予定の学会が開催されない、あるいはリモートでの開催となるなどの影響もあり、予定していた費用を使用することができなかった。次年度以降に全国の感染状況が落ち着き、現地調査が可能となった際に、当初予定していた旅費や謝金を使用する予定である。
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