研究課題/領域番号 |
20K18968
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
遠藤 源樹 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60739209)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 統合失調症 |
研究実績の概要 |
「統合失調症と就労」に関する職域コホート研究はわが国では皆無であり、統合失調症患者の病休日数、復職率、5年勤務継続率等、就労に関するエビデンスが無いのが現状である。本研究の目的は、日本で唯一の12年間で約7万人の大規模職域コホートデータ(J-SARスタディ)を用いて、統合失調症患者の就労に関するエビデンスを集積すること である。 J-SAR Studyの病休データベース等を用いて、2000年1月1日から2011年12月31日までの12年間に、新規に主治医の「療養が必要」と記載された診断書にて統合失調症による病休を取得した労働者のデータを収集した。統合失調症による病休開始日から365日までの病休者の転帰を、「退職」「死亡」「病休継続」「復職」の4つ に分類して、それらをアウトカム(評価指標)とした。「病休継続」は、病休開始日から365日まで療養が継続した労働者と定義した。 12年間のフォローアップ期間中、主治医の「病名:統合失調症。療養が必要」と記載された診断書が提出されたのは201名の労働者であった。現在、データ解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
J-SARデータから病休・復職データを抽出した際、再病休日などのデータを抽出しておらず、データを再収集することになり、研究進捗がやや遅れることとなった。
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今後の研究の推進方策 |
競合リスクを加味した生存時間解析で復職率、勤務継続率、再病休率、依願退職率等を算出し、統合失調症患者の復職支援制度の設計と、統合失調症罹患の復職に関する諸問題を解決するための知見を探る。特に、研究申請者が先行研究として実施している、うつ病患者、がん患者、脳卒中患者の再病休率とその再病休の内訳等とを比較検討することにより、治療と就労の両立支援における疾患別の復職支援策を総合的に考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究が遅れているために、次年度使用額が生じ、次年度使用額は、データ解析のための人件費に使用する予定である。
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