「統合失調症と就労」に関する職域コホート研究はわが国では皆無であり、統合失調症患者の病休日数、復職率、5年勤務継続率等、就労に関するエビデンスが無いのが現状である。本研究の目的は、日本で唯一の12年間で約7万人の大規模職域コホートデータ(J-SARスタディ)を用いて、統合失調症患者の就労に関するエビデンスを集積することである。J-SAR Studyの病休データベース等を用いて、2000年1月1日から2011年12月31日までの12年間に、新規に主治医の「療養が必要」と記載された診断書にて統合失調症による病休を取得した労働者のデータを収集した。統合失調症による病休開始日から365日までの病休者の転帰を、「退職」「死亡」「病休継続」「復職」の4つに分類して、それらをアウトカム(評価指標)とした。「病休継続」は、病休開始日から365日まで療養が継続した労働者と定義した。12年間のフォローアップ期間中、主治医の「病名:統合失調症。療養が必要」と記載された診断書が提出されたのは201名の労働者であった。現在、データ解析中である。
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