研究課題/領域番号 |
20K18974
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研究機関 | 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所) |
研究代表者 |
野藤 悠 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (10626047)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フレイル予防 / シルバー人材センター / 普及可能性 |
研究実績の概要 |
3年目にあたる本年度は「シルバー人材センター(SC)がフレイル予防教室の運営を担う」というモデルの普及可能性を検討するとともに、普及にあたっての課題を抽出した。 2018年度より埼玉県内の全58SCに対し次の取組を行い、RE-AIM(Glasgow RE, et al. 1999)の枠組みを用いて効果を除く4項目について評価した。 ①運動・栄養・社会面に働きかける教室プログラム・教材(セリフ付き就業指南書等)の作成、②サポーター養成講座(3日間×4ブロック/年)の開催、③実施状況や課題とその解決策に関する情報交換会の開催(1回/年)、④相談支援・出張指導。 評価結果を以下に示す。 Reach(到達):58SCのうち4年間で44SC(76%)がサポーター養成講座に参加した。Adoption(採用):25SC(43%)が住民または会員(うち6SCは会員のみ)を対象に教室を実施した。Implementation(実施): 教室はSCの独自事業、委託(自治体から:3SC、社会福祉協議会から:1SC、自治会から:1SC)または指定管理施設の自主事業(5SC)として実施され(1~20回コース、定期開催等)、92%のSCで担当した会員に謝金・配分金が支払われた。実施にあたっては、「自主事業の場合、採算をどう取るか」、「住民主体のボランタリーな通いの場が広がる中でどう参入するか」、「職員の余力不足」、「コロナ禍での開催方法」等の課題が抽出された。Maintenance(継続):2020年までに開始した24SCのうち18SC(75%)が2年以上事業を継続した。 普及率16%(キャズム)を超えたことから、本モデルの普及可能性は高いと考えられる。一方で、普及にあたっては、採算を取る方法やコーディネートする職員の余力不足といった有償活動に共通する課題に対し、解決の道筋を立てる必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに結果をとりまとめることができたため、本研究は「おおむね順調に進展している」と自己評価している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は研究成果の広報に努める。
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次年度使用額が生じた理由 |
概ね本研究の目的は達成されたが、追加分析を行ったり、論文を投稿したりなどより精緻に目的を達成するために期間を延長することとなった。 今年度は、更なる成果のとりまとめ・公表にあたって、人件費や学会参加費等に助成金を使用する予定である。
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