研究課題/領域番号 |
20K18989
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分58040:法医学関連
|
研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
ウォーターズ ブライアン 福岡大学, 医学部, 講師 (00609480)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
キーワード | alcohol biomarker / ethyl glucoside / malic acid derivative / alcoholic beverages / GC-MS / forensic toxicology / forensic autopsy / forensic medicine |
研究成果の概要 |
アルコール飲料の摂取を特定できる新たなバイオマーカーを探索した。いくつかのアルコール飲料を分析し、飲酒者の尿を調べた結果、ホルデニン(ビール)、エチルグルコシド(ビール、ワイン、日本酒)、リンゴ酸エステル(ワイン)、シリンジン酸(ワイン、ウイスキー)などが候補として検出された。エチルグルコシドは日本酒飲酒者に特異的に高濃度で検出されたが、ウイスキーにも含まれていないことから、体内で生成される可能性が示唆された。さらに実験により、エチルグルコシドは体外でエタノールと糖類から生成されることが確認された。今後はリンゴ酸エステルに注目し、ワイン摂取の特異的なバイオマーカーとしての可能性を検証していく。
|
自由記述の分野 |
法医学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、飲酒運転撲滅やアルコール依存症の診断・治療に貢献する新たな一歩を踏み出しました。従来の指標よりも長く体内に残る「エチルグルコシド」を飲酒運転の新指標として発見し、飲酒から時間が経過しても飲酒の有無を正確に判断できるようになりました。 さらに、この研究は、ワイン摂取量の客観的な指標開発にもつながり、個人の飲酒習慣把握やアルコール問題のリスク特定に役立つ可能性があります。ワイン中のリンゴ酸誘導体の存在も確認され、ワインの風味や品質への影響解明が期待されます。 本研究は、飲酒運転事故削減、アルコール依存症対策、ワイン品質評価向上など、社会に多大な貢献をもたらすことが期待されます。
|