• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

体幹の姿勢に着目した低負担ファーラー位条件の探索

研究課題

研究課題/領域番号 20K19005
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

古舘 卓也  国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 助手 (40848032)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードファーラー位 / 循環器 / 自律神経活動 / 寝たきり / セミファーラー位 / 一回拍出量 / 虚弱患者
研究実績の概要

ファーラー位姿勢は,身体機能が虚弱となった患者の身体を起こすために用いられる姿勢であり,身体負担は最小限に抑える必要がある.循環器系にとって低負担なファーラー位姿勢としては,上部体幹を軽度屈曲されることが提案されている(Kubota et al., Auton. Neurosci 2015).本研究では,従来のファーラー位姿勢と比較し,上部体幹屈曲姿勢(胸折姿勢)が循環器系にとって負担軽減に有効となるのか,体幹の角度条件を詳細に検討することを目的とした.
健常若年者10名の計測を実施した.比較姿勢は,上部体幹角度を30°としたとき,下部体幹は0°とした姿勢(胸折姿勢)と下部体幹を30°とした2条件と仰臥位の全3姿勢であった.姿勢それぞれの循環量(一回拍出量(SV),心拍出量(CO)),心拍数(HR),心臓迷走神経活動の指標である呼吸性洞性不整脈(RSA)を算出した.
上部体幹角度を30°とした姿勢では,下部体幹を30°としたときよりも下部体幹0°とした姿勢(胸折姿勢)の方が,SVとCO,RSAが高くなり,HRは低くなる傾向にあった。他の角度条件の姿勢でも解析を進め,ファーラー位姿勢における胸折姿勢の有効性を詳細に検討していく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルスの感染拡大の影響より,実験延期等を余儀なくされ遂行に大きく支障が生じてきた.2021年度より,感染対策方法が確立しつつあり,計測を行う事ができている.ただし,冬季は換気等の感染対策の必要性もあり,室温統制に困難が生じる事もあり,十分な計測は行えていない.

今後の研究の推進方策

引き続き,ファーラー位姿勢の体幹角度の違いにより循環量に違いが生じるか比較検討をしていく.2022年度は,体幹を30°起こした際の胸折姿勢と胸折がない姿勢についてデータ解析を進める予定である.また計測は,体幹を45°起こした際の胸折姿勢と胸折がない姿勢,60°身体を起こした際の胸折姿勢と胸折がない姿勢の計測も継続して実施する.その後,さらに実験のデータ解析と公表に取り組む予定である.
また計測に関しては,新型コロナウイルスの感染状況を見極めながら、実施時期も含めて安全な方法で推進する。新規の計測は、被験者個々の感染リスクを評価しながら、感染対策を徹底して実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルスの拡大より初年度より計測が困難となり,進捗に遅延がみられる.
2020年度及び2021年度の余剰分で,胸郭インピーダンスや心電図の電極,血圧計のカフを購入予定である.心音測定用のPCの破損あり,購入も検討する.また,被験者への謝金や旅費の精算も余剰分を割り当てていく予定である.

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi