研究課題/領域番号 |
20K19009
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
星名 美幸 関東学院大学, 看護学部, 講師 (00711996)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | がん看護 / 終末期 / 看護師 / コンピテンシー / ホスピス |
研究実績の概要 |
ホスピスで働く看護師の実践内容から、終末期がん患者にかかわる看護師のコンピテンシーモデルの構築が本研究の目的である。同じ看護師の有資格者であっても働く場所によって、その看護師に求められるコンピテンシーが異なる。例えば、がん専門病院で働く看護師、一般病院で働く看護師、精神科病棟で働く看護師、介護施設で働く看護師、そしてホスピスで働く看護師等様々である。その環境やその場面で患者のQOLを最大限に向上させることのできる看護師のコンピテンシーは様々であると言える。2002年にWHOは、「緩和ケア」を定義づけ、患者とその家族に対してのQOL改善のアプローチのあり方を示した。また、ホスピス緩和ケア白書2018でも終末期がん患者らの抱える諸問題の解決に向けたアプローチの方法が紹介されている。一方で、医療法の改正が順次行われ病院の機能区分も細かく法制化された。そして、診療報酬の改定に伴い、急性期医療を中心とする病院の在院日数の短縮化が求められている。すなわちがん患者は、疾患の進行具合によって治療の場所を適切に選択していくことが求められるようになってきた。 本研究では、ホスピスに入院しているがん患者にかかわる看護師に着目をする。終末期がん患者にとって満足度の高かったと思われる看護師の成功体験、特に看護師が患者やその家族に強く感謝された事例などを中心に聞き取り調査を行う。得られた調査データは、修正版グランデッド・セオリーアプローチ(m-GTA)の手法で分析する。その結果から、ホスピスで働く終末期がん患者にかかわる看護師の多様な様相を構造化しホスピスで働く終末期がん看護にかかわる看護師のコンピテンシーモデルの構築を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
現在、終末期がん患者にかかわる看護師のコンピテンシーに加え、臨床判断能力、判断力をキーワードに論文検討を継続的に実施している。 国内外の文献から、終末期がん患者のケア時や、臨死期の患者・家族への支援方法等終末期がん患者にかかわる看護師の特性や能力について検討している。新型コロナウイルス感染症の影響で、インタビュー調査の実施が困難な状況となっている。
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今後の研究の推進方策 |
文献検討レビュー及びインタビュー調査の結果に考察を加えて、学会発表と論文投稿に向けて執筆を進める予定である。 先行研究レビューと文献検討、国内外の終末期がん看護ケアに関する文献、ホスピスの看護に関する文献、コンピテンシーモデルに関する文献などについて検討を行う。また、新型コロナウイルス感染症の流行により、国際学会発表の為の海外渡航は難しいと考えている。 また、実証研究については調査方法の検討も視野に入れ、実証研究を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ感染症拡大に伴い、実証研究が予定通りに進めていない状況である。そのため、論文作成に伴う文献複写および投稿に関わる費用や、国内での学会参加費用ならびに、インタビュー調査やデータ処理に関わる費用を捻出する予定である。 また、研究調査委に関連した印刷物の整理するための文具、印刷に伴うインクカートリッジ等の購入を予定している。
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