• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2021 年度 実施状況報告書

認知症非合併患者と認知症合併患者を同時に看護する看護師の苦悩に関する探索的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K19011
研究機関常葉大学

研究代表者

千葉 のり子  常葉大学, 健康科学部, 准教授 (70737353)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード急性期病棟 / 認知症非合併患者 / 認知症合併患者 / 看護師 / 対応 / 苦悩
研究実績の概要

急性期病棟の夜間帯における、認知症非合併患者と認知症合併患者を同時に看護する看護師の対応と苦悩についての量的検証と関連要因を抽出することを目的として、全国の急性期病院を無作為抽出で200施設選定し、急性期病棟に勤務する臨床経験5年目以上の看護師2000名を対象にアンケート調査を実施した。基本属性、先行文献4編(谷口,2006;小山,2013;千葉,2016;川村,2020)から作成した対応と苦悩についての54の質問項目と関連要因について自由記載で回答を求めた。回収率は10.6%、有効回答率9.7%であった。認知症非合併患者と認知症合併患者のニーズが最も複雑化する【認知症非合併患者は状態悪化し生命のリスクに瀕しており、認知症合併患者は認知症状悪化し転倒リスクに瀕している者もいる】という状況下で看護(担当)した経験について、「よくある」「時々ある」と回答した者は71.1%であった。「対応できない他の(認知症合併患者含む)患者の状態が気になりながら、必死に優先度の高い患者の看護を続ける」「看護業務の緊迫化により、持続的に緊張感がある」の項目について「いつもある」「しばしばある」「時々ある」と回答した割合は89.9%、87.7%と高かった。
看護師の対応と苦悩に関連する要因は、経験や知識、チームワーク(経験の浅い看護師のフォロー含む)、応援体制、病床管理や指導方法、医師の指示や理解度、患者の権利意識や理解度、家族参加の状況、家族との関係性であった。看護師が苦悩を乗り越えるために、職場内外のサポートを求めていることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

急性期病棟の夜間帯において認知症非合併患者と認知症合併患者を同時に看護する看護師の対応と苦悩の関連についての量的検証および関連要因を明らかにするためにアンケート調査を実施した。自由記述から看護師が苦悩を乗り越えるために、職場内外のサポートを求めていることが示唆された。今後は詳細な分析を行う予定である。

今後の研究の推進方策

急性期病棟で認知症非合併患者と認知症合併患者を同時に看護する看護師が苦悩を乗り越えるためのサポートについてフォーカスグループインタビューを実施し、臨床現場の看護師の視点で苦悩を解決していくためのサポート内容を明らかにする。現在、研究倫理審査の承認を得たところである。一連の探索的研究から、臨床現場の看護活動の実態とセルフマネジメント向上にむけたサポートについて明らかにすることをめざす。

次年度使用額が生じた理由

全国アンケート調査が予定していた時期より遅れたため、今後調査結果の詳細な分析のためのソフトや研究会実施のための物品購入を行う予定である。

URL: 

公開日: 2022-12-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi