研究実績の概要 |
看護実践における新人看護師のモデリング測定尺度を開発し、看護実践における新人看護師のモデリング測定尺度の信頼性・妥当性の検討と、新人看護師のモデリングが職場適応に与える影響を探索することを目的に研究を行った。 尺度の信頼性・妥当性の検討では、全国の一般病床数200床以上の医療施設から無作為抽出法によって施設を選出し、協力が得られた103施設の1,457人の新人看護師に質問紙を配布し、358名(回収率24.5%)から回答が得られ、欠損を除く337名(有効回答率23.1%)を分析対象とした。項目分析、探索的因子分析、確認的因子分析により、4因子21項目から構成された。基準関連妥当性の検討では、簡易版看護師の自己調整学習方略尺度(三浦,2012)とのSpearmanの順位相関係数は0.596であった。再テスト法による安定性の検討では、69名から返信があり(回収率48.9%)、57名(有効回答率40.4%)を分析対象とした。看護実践における新人看護師のモデリング測定尺度全体の1回目と2回目のPearsonの積率相関係数は0.798を示した。 看護実践における新人看護師のモデリングが職場適応に及ぼす影響の探索では、一般病床数200床以上の医療施設から無作為に協力施設を選出し、協力の得られた86施設に所属する就職までに社会人経験がない(アルバイト経験は除く)新人看護師1,536名に質問紙を配布し、427名(回収率27.8%)から回答が得られ、欠損を除く378名(有効回答率24.6%)を分析対象とし、看護実践における新人看護師のモデリング測定尺度と職場適応行動尺度、職場適応状態尺度を共分散構造分析にかけた。結果、モデリングは職場適応行動、職場適応状態それぞれに影響があり、職場適応行動を介して職場適応状態に至ることがわかった。
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