研究課題/領域番号 |
20K19029
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
倉本 直樹 静岡県立大学, 看護学部, 助教 (00781816)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 末梢静脈穿刺 / 駆血技術 / 血管怒張 |
研究実績の概要 |
駆血技術は画一的に教育され看護師各々の経験値によって技術を発達させている現状がある。本研究では、看護師が経験値によって患者に実践している駆血技術に着目し、末梢静脈穿刺の失敗や静脈炎などの合併症を軽減する、安全で確実な看護技術として検証することを目的とする。 駆血に関する文献検討を行なった結果、視診と触診が困難な末梢静脈は、穿刺困難な末梢静脈血管路と指摘され、末梢静脈穿刺を失敗する可能性が高く、複数回の穿刺が必要になることが示された。 これまでの研究活動において、穿刺困難な末梢静脈血管路への静脈可視化装置の活用について検討を行った。より確実に血管選定を行うためには、静脈可視化装置は末梢静脈を効果的に怒張させる技術との併用が必要と考えられた。国内の看護技術に関する書籍では、穿刺部位の5~7cm中枢側に駆血帯を巻くことが記述されている。しかし、海外の書籍では、駆血帯を撒く部位については記述が見られなかった。そのため、予備実験11件行い、駆血技術の検討として、上腕部の駆血と前腕部の駆血の効果について比較した。表皮から末梢静脈の距離を比較した結果、関連は見られず、駆血帯を巻く位置による血管怒張の影響は限定的である可能性が示唆された。 予備実験の結果を考慮し、穿刺困難な末梢静脈血管路に対する駆血技術を検討するためには、看護師の動作分析と末梢静脈の計測が必要と考えた。そのため、保有する機器を使用し、看護師の動作分析の測定プロトコルの検討を繰り返し行なった。それらの結果をもとに、所属する組織の臨床研究倫理審査申請書の準備に取り掛かった。今後は、臨床研究倫理審査に対する対応を行い、調査の実施に取り掛かる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国内の専門家との意見交換を行う予定であったが、新型コロナウイルス感染症の影響のため、実施できなかった。また、密閉、密集、密接を考慮した測定プロトコルの検討および予備実験の準備から実施の対応に難渋したが、臨床研究倫理審査申請書の準備に取り掛かることができた。本研究は研究対象者と対面し研究を行うため、感染予防に配慮しながら研究を遂行する。
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今後の研究の推進方策 |
ご協力頂く研究対象者の方が安心して研究に参加できるよう、感染症への対策についての説明と対応を行う。安全を確保しながら、研究を遂行していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査を開始することが出来ていないため、予算は次年度に繰り越しする。主に、実験に関わる消耗品、研究協力者への謝礼やデータ整理の人件費として活用し、研究を遂行する。
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