研究課題/領域番号 |
20K19029
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
倉本 直樹 山梨大学, 大学院総合研究部, 講師 (00781816)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 穿刺困難な末梢静脈血管路 / 末梢静脈留置カテーテル / 血管怒張 / 駆血 / 触診 / 看護技術 |
研究実績の概要 |
本研究では、看護師が経験値によって患者に実践している駆血技術に着目し、末梢静脈穿刺の失敗を回避し、安全で確実な看護技術として検証することを目的とする。 2020年度の予備実験の結果を考慮し、穿刺困難な末梢静脈血管路(Difficult Peripheral Intravenous Access : D-PIVA)に対する駆血技術を検討するため、D-PIVA保持者を抽出するための第1段階、看護師の動作分析を行う第2段階に分けた研究計画を立案した。2021年8月、研究計画について臨床研究倫理審査委員会の承認を得たため、データ収集を開始した。 2021年度は、D-PIVA保持者を抽出する調査(第1段階)を実施した。第1段階では、D-PIVA保持者を抽出することを目的に、過去に採血や点滴で失敗された経験のある18歳以上の女性を対象とし、前腕の末梢静脈を近赤外線カメラシステムと超音波画像診断装置によって観察、計測した。データ収集は、2021年12月末で終了し、目標としていたサンプル数(n = 99)を収集することができた。データを分析し、末梢静脈の深さと太さをもとに、D-PIVA保持者を抽出した。第2段階では、第1段階で抽出したD-PIVA保持者を対象に、熟練看護師が駆血と血管選定を行い、その動作を分析する。熟練看護師は、D-PIVA保持者であっても、末梢静脈留置カテーテルの留置に適切な血管を選択していたが、血管選定の困難性は高い傾向があったことが分かった。今後は、血管選定における熟練看護師の駆血技術や触診技術に注目し、データ分析を行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度は研究者が体調不良にて療養が必要となったため、調査の実施のみ行い、データ分析はできなかった。2023年度は、2022年度に実施できなかったデータ分析を含めて行ったため、遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は成果の公表を目標にデータ分析を進める。まずは、第一段階におけるD-PIVA保持者の分析を中心に行う。定期的に研究協力者とのディスカッションを持ち、多角的な視点から分析を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
データ分析、成果の公表が遅れている。また、研究者が異動したため、研究協力者とのディスカッションのための交通費が必要である。データ分析に必要な研究機器、交通費、データ整理の人件費、論文投稿費用として活用し、研究を遂行する。
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