研究課題/領域番号 |
20K19037
|
研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
蜂ヶ崎 令子 東邦大学, 健康科学部, 准教授 (30385570)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 高齢者 / 動作分析 / 歩行分析 / 転倒 / 点滴スタンド |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、輸液ポンプや酸素ボンベなどの重量負荷をかけた点滴スタンドの使用や杖代わりでの点滴スタンドの使用が、負荷をかけない場合と比べて、高齢者の歩行や動作、身体的データや主観にどのような影響を与えるのかを人間工学的分析よって明らかにすること、さらに、この結果を生かして転倒予防対策を検討することである。 今年度は、研究計画に沿って60歳代の成人男性12名、女性12名、計24名を対象にデータ収集を実施した。被験者には、表面筋電図を装着してもらい、シート式下肢荷重計上で通常歩行、最大歩行、点滴スタンドを伴った直線歩行、点滴スタンドのグリップを利用した立ち上がりなどの動作を①バランス評価のための跨ぎ歩行(高さ20cmウレタンフォーム)、②杖代わりの荷重負荷あり、③負荷なしの3種類で実施した。さらに点滴スタンドに関しては、グリップの取り付け位置を身長比50%と60%の2か所でそれぞれ行った。被験者の下肢表面筋電図、歩容(歩行速度、ケーデンス、歩幅、歩隔、立脚期、遊脚期、両脚支持期)、歩行姿勢、下肢荷重分布、主観評価データ、ロコモ度テスト等の収集を行った。対象者の平均年齢は66.5歳、これまでの転倒経験は24名中1名のみであった。主観評価では、点滴スタンドのグリップの高さによって躓きやすさや引っ掛かりやすさは変わりなかった。しかし、操作のしやすさや寄りかかりやすさについては身長比60%と50%に意見が分かれる結果となった。現在、その他のデータについても、分析をすすめているところである。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究計画に則り、対象者を募集し、成人男女24名に対する実験を行い、データを収集した。分析結果をまとめ公表予定である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、実験データを分析し、論文を執筆する予定である。学会発表および論文投稿により研究結果を広く周知する。必要に応じて対象者を募集し、データを増やす方策を進める。
|
次年度使用額が生じた理由 |
予定していた消耗品の支出を抑えることができたため、未使用額が生じた。今年度は実験データ収集に助成金を使用した。未使用額は、追加実験の物品費や対象者への謝礼、学会発表にともなう学会参加費や渡航費、論文投稿費等に使用予定である。
|