研究課題/領域番号 |
20K19046
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐久間 篤 東北大学, 大学病院, 助教 (90733759)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | せん妄 / バイオマーカー / 予測スコア |
研究実績の概要 |
本年度は新型コロナウイルスの流行により、研究に大幅な遅延が生じた。しかしながら研究協力者と調査内容や遂行に関してミーティングを重ね、まずは現時点で可能と考えられる後方視的研究を実施する方向で準備を進めた。概要としては、これまで東北大学病院の精神科リエゾンチームで診療を行った患者を集積し、精神科医によるせん妄の診断をアウトカムとし、血液検査値などのバイオマーカーとせん妄診断の関連を解析し、予測能が高いバイオマーカーの検討を行う方向となった。本計画に関して東北大学医学系研究科倫理委員会に申請を行い、承認を得た。現在、症例の集積を開始したところであり、精神科医によるせん妄診断と、バイオマーカーをマッチングしたデータベースを構築する予定である。
2020年12月7日から13日に開催された、第33回日本総合病院精神医学会総会に参加し、本邦におけるせん妄診療の状況と課題に関する情報収集を行った。改めて高齢化する本邦ではせん妄は重要課題であり、また、新型コロナウイルスの診療においてもせん妄の存在が医療者にとって大きな負担となっている状況が理解できた。2020年11月26日から28日に開催された第50回日本臨床神経生理学会学術大会に参加し、せん妄に関するバイオマーカーの活用、特に脳波検査の活用に関して情報収集を行った。せん妄と脳波の活用に関しては、モバイル脳波計を用いた診断の試みなどが海外などで行われており、本邦での実施可能性に関しても大きな可能性を感じ、今後の研究へ活用することが期待された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行により、必要最低限の診療以外の行為が困難となった。また、研究代表者の専門が災害対応を行う医療者のメンタルヘルス支援でもあったことから、新型コロナウイルスに対応する医療者への支援に多くのエフォートを割く必要が生じた。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルスの流行の収束を見据え、当初の計画である前向き観察研究の準備も進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行により研究対象者に研究説明を行い症例集積することができなかったため残額が生じたと考えている。 次年度使用額は、前向き観察研究の体制構築、情報収集のための学会参加費に使用する予定である。
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