研究課題/領域番号 |
20K19046
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐久間 篤 東北大学, 大学病院, 助教 (90733759)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | せん妄 / バイオマーカー / 予測スコア |
研究実績の概要 |
本年度は一昨年開始した後方視的研究のデータ集積を進めるとともに、前方視的研究を継続することができた。前方視的研究の対象者は、当院においてがん治療を実施する患者であり、主に入院患者を対象に継続した。これまでに30名程度の初回データを集積し、縦断データを重ねることができている。 新型コロナウイルスの影響により、前方視研究の開始が当初の予定より大幅に遅延してしまったが、引き続き200症例の集積を目標に継続する。 この間、これまでに集積したデータを元に、学会発表を行った。2022年6月に、第118回日本精神神経学会学術総会に参加し、「化学療法中のがん患者へのウェアラブルデバイス活用の試み」と題して新規のテクノロジーを用いたせん妄を始めとした精神症状の検知に関する発表を行った。2022年10月には、第35回日本総合病院精神医学会総会に参加し、「入院化学療法中のがん患者の抑うつ、不安、せん妄症状とウェアラブルデバイスによる身体活動量との関連」、「精神科リエゾンでの簡易脳波計 東北大学病院オープンベッドラボ(OBL)での試用」、「入院中のがん患者における身体活動量とせん妄:文献的レビューに基づく考察」と題して発表を行った。これにより、身体活動量と精神症状の関連について検討し、歩数と抑うつ症状の関連等、精神症状と関連する病棟で測定可能な要因に関して有用性を示唆する結果が得られた。今後はさらにデータを集積し、せん妄の検知に係わるバイオマーカーやウェアラブルデバイスの活用について検討を重ねる予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの度重なる流行により、本研究の対象者をリクルートしていた病棟が稼働停止するなど、多大な影響を受けたため。
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今後の研究の推進方策 |
後方視的研究のデータを用いた解析を実施するとともに、前方視的研究に関しては症例集積を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの流行により研究開始時期に遅延が生じたこと、国際学会等に参加できなかったことから残額が生じたと考えている。次年度は、成果を学会や論文化により発表していく予定である。
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