2020年度は妊娠・出産に関わる炎症性腸疾患患者およびそのパートナーを対象とした妊娠・出産に関わる情報ニーズの把握することを目的としていた.対象は横浜市立大学市民総合医療センターまたは関内鈴木クリニックに通院中の妊娠を希望している/妊娠している/妊娠・出産を経験したIBD患者およびそのパートナー各10名程度,調査内容は妊娠前,妊娠時,出産後に医療者より受けた情報とそのときに抱いた感情(対象者の経過に合わせ質問内容を選択)および情報ニーズを文献検討の内容をもとに半構造化面接にて質問し,内容分析の手法で情報ニーズの内容を抽出することであった. まず,国内外の文献を対象とした文献レビューを行い炎症性腸疾患患者の意図的無子に関わる要因の検討をおこなった.その結果,国内で上記テーマに関する研究報告はなく,すべて海外の文献であった.要因として,知識面,疾患特性面,環境面など様々な面が関連していることが明らかになったが,今後は知識面の是正を中心に支援していく必要があると考えられた.今年度はコロナ禍で患者および医療者に対面でインタビューすることが制限されたため,来年度は遠隔にて実施する予定である.
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