研究課題/領域番号 |
20K19054
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
寺尾 奈歩子 愛媛大学, 医学系研究科, 助教 (40727450)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 2型糖尿病患者 / がん化学療法 / 糖尿病合併がん患者 / 自己管理 / 糖尿病療養 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、2型糖尿病合併がん患者が糖尿病療養と化学療法の副作用マネジメントを両立するための自己管理支援プログラムを開発し、臨床適用可能性を検討することである。糖尿病患者ががんを発症し化学療法を受ける場合、化学療法の副作用に対応しながら、高血糖・低血糖予防に配慮した食事摂取が必要になる。また、化学療法時に使用する副腎皮質ステロイドも血糖値を不安定にさせる。このように、化学療法を受ける糖尿病合併がん患者にとって糖尿病療養と化学療法の副作用マネジメントを両立させることは難しい。そのため、糖尿病患者が化学療法を受ける際には新たな自己管理能力の獲得が必要であると考えるが、支援に関する研究はほとんど行われていないことから、支援プログラムの開発は極めて重要である。 本研究では、化学療法を受けた経験を持つ2型糖尿病合併がん患者の実体験を基盤にしたプログラムを開発することで、臨床適用可能性の高いプログラムを開発する。令和2年度は、プログラム作成のために文献検討と医療者を対象に化学療法を受ける2型糖尿病合併がん患者に対する支援の実態調査を行う予定であった。文献検討は予定通り終了し、現在海外雑誌に投稿中で査読結果を待っている状況である。医療者を対象とした実態調査は、Covid-19の影響で業務に予定をはるかに超える支障があり、準備が進んでいない。患者を対象としたインタビュー調査は、令和2年度に所属施設の倫理審査の承認を受け、研究協力者の医師や看護師への協力依頼と承認を受けた。しかし、こちらもCovid-19の影響で外来患者の受診や所属機関での研究活動に制限が出たこと、医療者もCovid-19の影響で通常業務に支障が出たことがら、インタビュー調査には至っていない。令和3年度は、研究活動への制限が解除され次第速やかにインタビュー調査が開始できるよう、準備を進めていく計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度の予定は、プログラム開発に関する文献検討と医療者を対象とした実態調査であった。文献検討は予定通り実施し、現在海外雑誌に投稿中である。医療者を対象とした実態調査は実施できていないが、その代わりに患者を対象とした実態調査は、所属施設の倫理審査委員会の承認を受け、研究協力者への説明も終了している。現在、Cocid-19の影響で所属施設の研究活動が制限されており、患者へのインタビュー調査ができない状況であるが、制限が解除され次第、速やかにインタビュー調査が実施できる準備がほぼ整っていることから、概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は所属施設の研究活動に対する制限が解除され次第、患者へのインタビュー調査を実施する。令和2年度に行った事前調査で糖尿病内科に通院中の患者のみでは対象者の確保が困難であることが判明したため、、新たに呼吸器内科と乳腺外科に通院中の患者も対象として追加することとし、研究計画書の修正を行った。このことにより、より研究対象候補者が抽出しやすくなると考える。令和2年度に実施予定であった医療者対象の実態調査は、Covid-19の影響もあり医療者が多忙を極めていることから、実施を遅らせる。まずは倫理審査の承認を得ているインタビュー調査を令和3年度中に終え、令和4年度にはプログラム開発に着手したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
Covid-19の影響で研究に関連する学会がオンライン開催になったことから、旅費が不要になったことが理由である。繰り越した研究費は、現在投稿中の雑誌の投稿料に充てる予定である。
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