研究課題/領域番号 |
20K19059
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研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
藤田 結香里 公立小松大学, 保健医療学部, 助教 (20827919)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 2型糖尿病 / 通院中断 / 関係構築スキル / 患者教育プログラム |
研究実績の概要 |
本研究は、2型糖尿病患者の通院中断予防に向けた「医療者との関係構築スキル向上プログラム」の開発を目指し、2つの目的で研究を行う。1つ目は、2型糖尿病患者がもつ医療者との関係構築スキル尺度および患者と糖尿病療養に携わる医療者との関わりの実態を明らかにし、尺度の得点分布と医療者との関わりの特徴を見出すことである。2つ目は、2型糖尿病患者の通院中断予防に向けた「医療者との関係構築スキル向上プログラム」を開発することである。最終的に開発したプログラムを施行・修正し、プログラムの完成を研究の全体構想としている。 本研究で用いる尺度は、申請者が開発し、信頼性と妥当性が確認されたものである。この尺度は4つのスキルに分類され、それぞれの設問が医療者への望ましい対応や行動を示している。プログラムを開発し、今後患者にプログラムを導入することで、患者がもつ医療者との関係構築スキルを自ら向上でき、生涯中断せずに通院できることが期待される。 2020年度は、1つ目の研究目的である実態調査に向けて文献検討を行い、2型糖尿病患者と医療者の関わりの現状把握および調査項目の内容検討を行った。医学中央雑誌にて2000年~2021年4月までの文献を検索した。キーワードは、「2型糖尿病」「医療従事者」「関わり」「関係」「医療従事者-患者関係」「医師-患者関係」「看護職-患者関係」を用い、会議録を除外して検索を行った。文献は解説/特集が多く、2型糖尿病患者との関わり方のポイントについて事例とともに述べられているものが大半であった。論文内容としては、2型糖尿病患者と医療者との関係の重要性は述べられているが、診療・療養指導場面の実態については明らかにされていなかった。今後は、以前よりも幅広く文献検索を行いながら、調査項目の調査内容の検討をし、研究計画書の作成を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は医療機関に通院もしくは入院している2型糖尿病患者を対象としており、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、研究協力依頼が困難な状況であった。今後の新型コロナウイルス感染状況から、調査方法の再検討が必要と考え、実態調査の準備に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
文献検討の結果から、実態調査の調査項目の検討を行う。新型コロナウイルス感染拡大の影響に伴い、調査施設および対象者の選定や調査方法について再検討し、研究計画書を作成し、倫理審査委員会へ申請する。新型コロナウイルス感染症の動向を見ながら、実態調査に着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実態調査の遅れに伴い、カラーレーザープリンターやICレコーダーの購入を次年度に見送った。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内外の学術集会の参加がオンラインであったため、今年度の旅費使用額が予定よりも大幅に少なかった。感染状況を見ながら学会参加もしくは海外論文投稿費として次年度に使用する予定である。
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