研究課題/領域番号 |
20K19061
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
森脇 裕美 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (60735893)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | フットケア / 心臓血管外科 / 実態調査 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、心血管系の手術を受ける高齢患者に対する看護師のフットケアの実態と、周術期の足の形態および機能を経日的に明らかにすることである。 2020年度は、心臓血管外科に勤務する看護師に対し、足の観察の有無または頻度、フットケアの現状等について質問紙調査を行い実態を調査した。 大学病院10施設に質問紙調査の協力依頼を行い、同意の得られた2施設に調査票を郵送し、30通の回答が得られた。実施しているフットケア内容の最多は「足の状態の観察」で93%、「保湿」は73%である一方、「爪切り」「胼胝・鶏眼の処置」「マッサージ」「専門医との連携」は20%以下であった。足の状態の観察では、「皮膚の色調」「創傷の有無」「浮腫の有無」が90%以上の実施、「胼胝・鶏眼の有無」や「足の形状」の観察はほとんど実施されていなかった。心臓血管病棟における「フットケアの必要性」「学習する機会の必要性」については80%以上が必要であると回答し、「ケアの自信」は86%が自信がないと答え、フットケアを行う上で困難と感じる内容は、「看護師による判断」「ケア内容の選択」が50%以上であった。 心臓血管病棟の看護師のフットケアの実態として、足の観察は実施しているが転倒に影響する足の形状や胼胝・鶏眼の観察はほとんど実施されていないこと、実際のケアの判断や内容については困難を感じていることが明らかとなった。 次段階としては、心血管系の手術を受ける患者に対し、手術前に足の形状や皮膚の状態、末梢循環、足趾力を測定し、周術期の足の形態及び機能を経日的に調査を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響で質問紙調査の郵送が中断していたため、予定より遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年6月~2022年5月まで産休取得のため中断する。2022.5より調査開始でき次第、臨床でのデータ測定に向け研究協力施設との調整および倫理審査申請の準備を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、研究の1段階目である質問紙調査の開始が遅れたことより、次段階の臨床でのデータ測定の開始が遅れ次年度の使用額が生じている。次の調査開始後にすぐに進めていけるよう高額機器は購入したが、消耗品については実際の測定時に購入する予定である。
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