研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学病院ICUにおけるMRSA交差伝播の危険因子及び皮膚障害との関連性を調査し、MRSA交差伝播のリスク低減方策構築に向け、交差伝播の実態と皮膚障害患者へのケアを含む課題を明らかにすることである。ICUにおけるMRSA獲得及び持込の危険因子を解明し、結果を基に薬剤耐性菌MRSA伝播リスク低減策を考察する。加えて、複数施設での調査実施のための基盤を作り、多施設研究へと発展させていくことで、MRSA交差伝播対策の強化を進める。 現時点で、A大学病院医学部倫理委員会の承認を得て、本研究を開始している。A大学病院GICU入室する対象患者の入室時薬剤耐性菌スクリーニングの結果を使用し、MRSA交差伝播の危険因子及び皮膚障害やその他の因子との関連性を検討するためのデータを収集中である。統計学的解析のための目標症例数に間もなく到達するため、解析を実施し、研究成果の発表の準備を進める。新型コロナウイルスの感染拡大の中、できるだけ円滑に研究を遂行するため、研究協力者とカンファレンスを定期的に行っている。今後、具体的なMRSA伝播リスク低減策について考察を深めていくため、統計解析において抽出されたリスク因子を持つ患者についてさらに詳しく調査する。 本研究の一部について、関連学会学術集会にて発表した(板津ら, 日本集中治療医学会第5回東海北陸支部学術集会, 2021)。また、本研究に関連する研究成果を学術雑誌に投稿、掲載された(板津ら, 日本救急医学会中部地方会誌, vol.17, 2021)。さらに、関連する研究成果を学術雑誌に投稿、査読中である。
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