研究課題/領域番号 |
20K19079
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研究機関 | 宇部フロンティア大学 |
研究代表者 |
福岡 泰子 宇部フロンティア大学, 看護学部, 准教授 (60410205)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 脳梗塞 / 自己検脈 / 指導 / 実態調査 |
研究実績の概要 |
本研究では、まず、脳梗塞患者への退院時における自己検脈を含む自己管理の実態を①病院を対象に脳梗塞患者へ指導状況と、②患者の実施状況の調査を行い、③脳梗塞患者への看護師の自己検脈の指導で、患者自らの検脈によって、異常時受診し脳卒中再発や心血管疾患の早期発見につながるか否か、を検証する3段階の研究を予定していた。 2021年度に全国の一次脳卒中センターを持つ施設を対象とした質問紙調査の結果から、脳梗塞の患者へ退院時にセルフモニタリング指導を「行っている」と回答した施設は34.7%であり、退院時にセルフモニタリング指導を「行っていない」理由は、「指導する人がいない」「指導する教材がない」「患者が出来ないので指導していない」であった。さらに自己検脈の指導を「行っている」施設は全体の10.0%に過ぎなかったことを報告した。 この結果から、脳梗塞の患者に対してセルフモニタリングの指導の必要性は感じているものの、指導できる人材の確保や教育が十分でないこと、さらに自己検脈の指導はほとんど行われていない現状を受け、2022年度は施設を対象に指導をできる人の教育を視野に入れた自己検脈を含むセルフモニタリング指導の介入研究を進めるように計画変更を検討した。 新たな計画としては、脳梗塞患者へ退院指導を行っていない施設の看護師を対象に脳梗塞患者への自己検脈を含んだ退院指導の勉強会プログラム(仮)を受けてもらい、①看護師の患者指導における知識や自信、実施を測ると同時に、②患者のセルフモニタリングの実施状況や患者自らの検脈によって、異常時受診し脳卒中再発や心血管疾患の早期発見につながるか否か、に関する2つの対象者への縦断的調査を行うこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
対象施設からの聞き取り調査を進めていく予定であった。しかし、新型コロナ感染症の制限が緩和されてきた状況であったが、制限が多いため施設への調査が難しく行えていない。 今後は、施設への指導をできる人の教育も視野に入れた自己検脈を含むセルフモニタリング指導の介入研究を進めて、実施の時期を含めた計画への変更を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
看護師を対象に脳梗塞患者への自己検脈を含んだ退院指導の勉強会プログラム(仮)について、以前に行った「保健指導の導入による脳卒中の再発予防効果」で得た知見やガイドラインを基に内容の検討を行う。並行して、対象となる施設へ聞き取り調査を行い、介入研究実施に向けて進めて行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究協力して頂く施設である病院も、新型コロナの感染対策も緩和に進んでいくことから、今後は病院での患者を対象とした調査が実施できる見通しと考える。 今後は自己検脈を含むセルフモニタリング指導と看護師への教育についての介入調査を行う。そのため、看護師への教育を行った時点から調査を行い、加えて時系列に追跡調査を行うため、質問紙や調査用紙の印刷や患者への調査のために郵送にかかる費用、患者への調査に協力いただける病院との打合せの際に生じる旅費などが生じる。よって、2022年度までに使用する予定であった研究費を2023年度に使用する予定である。
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