研究課題
ウェルナー症候群(WS)は常染色体劣勢遺伝の希少な早老症である。平均寿命が延長する一方で、陽性率が87.6%にも上る難治性潰瘍、疼痛をはじめとした足部の症状はWSのQOLを妨げるとされる。そこで、ウェルナー症候群の方の潰瘍発症の経過とその実態を明らかにし、ウェルナー症候群の方潰瘍を予防することを目的としている。今年度は臨床で実態調査を実施する予定であったが、COVID-19の影響で調査が開始できていない。しかし、さまざまな調整を実施し、2022年度に調査開始できる見込みとなっている。今年度は、研究成果の国内外への公表により、今後の調査に関する示唆が得られたとともに、希少疾患であり足潰瘍等の症状が知られていないため、学会等での発表によりその啓発にもなったと考えられる。更に、論文の執筆、臨床調査の計画修正、調査フィールドの調整に加え、健常者によるフットウェアや床の材質が潰瘍の原因となる足底の外力に与える影響に関する調査を実施し、興味深い結果を得ることができた。これらの結果は、ウェルナー症候群の方に限らず、糖尿病の方、その他にも足潰瘍リスクのある方たちに応用可能な結果である。これらに関しては、2022年度に国際学会で公表を予定している。
2: おおむね順調に進展している
COVID-19の影響で計画していた臨床調査は実施できていないが、2022年度には開始できる見込みが立ったことと、計画を変更し、健常者におけるフットウェアや床の材質の足への影響に関する調査を実施することができた。これは、今後の看護支援に重要な知見になると考えているためである。
2022年度は臨床調査を実施し、ウェルナー症候群の方の足部と歩容の実態を明らかにする。更に、健常者における歩容と足底にかかる圧力やせん断応力との関係を明らかにする基礎的な調査も同時並行で進める。これらを明らかにすることで、ウェルナー症候群の方の足部と歩容の実態が明らかになった際に、どのようなフットウェアや歩容にすれば足潰瘍を予防できるかという介入を考える重要な知見になると考えている。また、ウェルナー症候群の方に限らず、足潰瘍リスクのある方の潰瘍予防のための方法を検討するためにも有用である。
COVID-19の影響で臨床調査が実施できず、2022年度に臨床調査実施見込みとなったため、研究費を臨床調査のために温存したため。臨床調査で謝礼やセンサなど研究費が多くかかる見込みです。
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