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2021 年度 実施状況報告書

間質性肺疾患患者家族に対する情報ニーズ探究と相談者によるHRQOLへの影響調査

研究課題

研究課題/領域番号 20K19090
研究機関京都大学

研究代表者

佐藤 隆平  京都大学, 医学研究科, 助教 (10752058)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード間質性肺疾患 / 家族 / 情報ニーズ / 相談者 / HRQOL
研究実績の概要

当該年度は、遅延していた対象者リクルートを継続実施し、患者66名、家族66名を登録した。登録した者のうち、選択基準を満たさなかった患者と家族において各々1名を除外し、患者65名、家族65名が解析対象となった。患者および家族が知りたい情報ニーズの上位は、第1位は「病気の進行と予期する事柄」であり、第2位は「間質性肺炎の急激な悪化」であった。酸素投与の有無別では、情報ニーズに差は認めなかった。SF36を用いたHROQLスコアの結果は以下の通りであった。患者において、身体機能、日常役割機能で中央値40点未満を示し、3コンポーネント・サマリースコアの身体的側面で中央値40点未満であった。家族において、中央値が40点未満となる項目は無かったが、体の痛みが43.8点を示していた。相談者の有無別では、プライマリーエンドポイントの家族の日常役割機能(精神)を含めSF36の全ての項目に差は認められなかった。しかし、酸素投与の有無別において、患者が酸素投与有の場合、患者自身のSF36の多くの項目で有意な低下が認められ、3コンポーネント・サマリースコアの身体的側面と役割/社会的側面で有意な差があった。結論として、情報ニーズは患者の酸素投与の有無で変化せず、患者と家族とも上位の情報ニーズは同様であった。また、家族においてHRQOLは低下しておらず、相談者の有無別あるいは酸素投与別で差はなかった。しかし、当事者である患者は、酸素投与有の場合、HRQOLの有意な低下を認めていた。これらから、間質性肺疾患患者と家族とを支援するプログラムを作成する場合、患者と家族とそれぞれ異なる支援内容が求められることを示唆しているかもしれない。今後、詳細な分析をしたうえで、成果について国際学術雑誌へ投稿を予定している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

対象者をリクルートする外来において、患者家族の付き添いを制限したり、付き添い者の診察室への入室を控えてもらったりという新型コロナウイルス感染症対応を病院として実施していたため、対象者リクルートに難渋した。

今後の研究の推進方策

目的の一つにおける目標対象者人数は確保できたため、詳細な解析を実施する。また、その成果を国際誌に投稿するため執筆作業を行う。

次年度使用額が生じた理由

当該助成金の次年度使用額が生じたのは、新型コロナウイルス感染症流行に伴い学会参加形態がWeb参加となり旅費が発生しなかったこと、対象者リクルートに難渋し解析および論文執筆などが遅延したことが理由である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Antitussive Effect of a Chest Band in Patients with Interstitial Lung Disease: The Preliminary Results from a Pre-post Intervention Study2021

    • 著者名/発表者名
      Sato Ryuhei、Handa Tomohiro、Matsumoto Hisako、Hirai Kota、Ohkura Noriyuki、Kubo Takeshi、Hirai Toyohiro
    • 雑誌名

      Internal Medicine

      巻: 60 ページ: 3701~3707

    • DOI

      10.2169/internalmedicine.6716-20

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 間質性肺疾患患者に対する胸部固定帯の鎮咳効果を評価した前後比較試験:胃食道逆流症との関連2021

    • 著者名/発表者名
      佐藤 隆平, 半田 知宏, 松本 久子, 大倉 徳幸, 平井 豊博.
    • 学会等名
      日本呼吸ケア・リハビリテーション学会

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公開日: 2022-12-28  

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