本研究の目的は、ドイツで開発されたSpiritual Needs Questionnaire(SpNQ)を翻訳したスピリチュアルニーズ質問紙日本語版試案の妥当性を検証することである。具体的には、スピリチュアルニーズ質問紙日本語20項目を用いて、看護師を対象に調査を行い、日本の看護師への適用可能性を検証することである。令和4年度の当初計画は①調査、②統計解析と結果の解釈、③研究の成果報告であった。 ①調査は、Microsoft Formsのアンケート機能を用いてWeb質問紙調査であった。がん診療連携拠点病院と緩和ケア病棟を有する病院において協力が得られた施設の看護師を調査協力者とした。②統計解析には、分析には、IBM-SPSS statistics Ver.28とIBM-SPSS Amos Ver.28を用いて確認的因子分析と相関検定、信頼係数の算出を行った。モデルの識別条件は、χ2、CFI=、TLI、GFI6、AGFI、RMSEAとした。その結果、スピリチュアルニーズ質問紙日本語版のモデルは4因子16項目の構造が妥当であった。信頼性の検討では、各因子のCronbachのα係数は、0.87~0.71であり、項目が削除された場合のCronbachのα係数においては、0.10以上上昇する項目はなかった。したがって、スピリチュアルニーズ質問紙日本語版は4因子16項目のモデルでの使用が可能であった。③研究結果は、日本リハビリテーション連携科学学会第24回の一般演題示説で発表した。さらに現在、論文を執筆中である。当初計画通り、調査並びに統計解析、結果の解釈を行うことができ、また、研究成果報告を行うことができた。
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