研究実績の概要 |
半数以上が精神状態を損ないうるカテーテル治療(percutaneous coronary intervention: PCI)後の急性冠症候群(Acute Coronary Syndrome: ACS)患者に対し、本研究では精神的サポート体制構築の第1段階として、簡易で患者全員に実施可能な退院後のうつ状態予測スクリーニング尺度を開発する(本研究はスクリーニング尺度開発(片岡, 2005; 森鍵ら, 2007; Aoki et al., 2018)、患者対象尺度開発(新井ら, 2016) の文献を基に以下の通り進める)。 1)PCI後ACS患者の退院後うつ状態予測スクリーニング尺度案の作成(R2) ①申請者らの研究結果と他の先行研究に基づく項目案(尺度案1・2)作成 過去の調査データ(Mana Doi, et al, 2018)から、HADSと野川の尺度(2012)の内、退院3か月後にうつ状態となった者の回答が多かった項目を参考に尺度案1の原案を作成し、原案に加えて“退院後の複雑な事象の感じ方”と、心疾患のうつ要因に関する先行研究から追加すべき項目の有無を検討し尺度案1を検討した。 尺度案1の項目数最小化を目指し、申請者、精神看護領域の研究実績のある研究者1名、循環器内科領域で臨床経験を積んだ看護師2名、職場でPCI後ACS患者のサポートをしている産業保健師1名、尺度開発の実績がある研究者2名の計7名で項目を検討し、退院後のうつ“予測”の観点で重要となる10項目程度の項目抽出(尺度案2作成)を行っている。
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