研究課題/領域番号 |
20K19098
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研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
山本 麻理奈 富山県立大学, 看護学部, 講師 (10781627)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 筋委縮性側索硬化症 / 家族介護者 / 療養支援 |
研究実績の概要 |
筋萎縮性側索硬化症(ALS)は、日常生活援助と医療ケアを必要とする介護負担の高い難病であり、在宅療養を支える家族介護者は疲弊している現状がある。本研究は、在宅療養中のALS患者及び家族介護者が、前向きな姿勢や肯定的感情を抱く日常生活上の出来事の特徴を明らかにし、看護ケアの在り方を検討することを目的としている。 1. 在宅療養中のALS患者及び家族介護者が抱く前向きな姿勢や肯定的感情の特徴 2020年度は在宅療養中のALS患者と家族介護者が抱いた前向きな姿勢や肯定的感情について先行文献から病期別に抽出・整理した。その結果、前向きな姿勢や肯定的感情の特徴が明らかになった。ALS患者と家族介護者らが表出する前向きな姿勢や肯定的感情は生来の気質と療養生活上の経験から獲得した要因の両方が関わる可能性が示唆された。これらの結果については、国内の学会で今後発表する予定である。 2.在宅療養中のALS患者の家族介護者が療養中に獲得した前向きな姿勢や肯定的感情の実態調査 2020年度は全国的な新型コロナウイルス感染拡大により、インタビュー調査の実施が困難となった。そのため、インタビュー調査に先行して1.の結果に基づき自記式質問紙調査を行うこととした。目的は生来の気質と療養生活上の経験から獲得した要因が前向きな姿勢や肯定的感情に対して与えた影響を明らかにするための実態調査である。対象は家族介護者とし、現在は調査内容の検討を行っている。実態調査後は結果を分析した後に療養生活上の経験から獲得した要因に注目し、それを日常生活の次元で明らかにするためのインタビューを行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2020年度は在宅療養中のALS患者及び家族介護者が抱く前向きな姿勢や肯定的感情の特徴を把握した上で研究協力者のリクルートを行う予定であった。しかし、全国的な新型コロナウイルス感染拡大のため、インタビュー調査の協力者の選定等が難航しており調査方法を一部変更した。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は、2020年度に明らかにしたALS患者及び家族介護者が抱く前向きな姿勢や肯定的感情の特徴についてまとめ、学会等で公表する。また、インタビュー調査に先行して質問紙調査を実施し実態把握を行うこととした。実態把握後にインタビュー調査の協力者のリクルートを行い、Webシステムなども活用しながら実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大により、旅費を要するインタビュー調査の実施が困難となり計画を変更した。自記式質問紙調査を先行するための情報収集が主な活動となったため、当初の計画とは異なる使用額となった。2021年度は余剰金を含め、自記式質問紙調査にかかる消耗品の購入や郵送費・人件費、全国へのインタビュー調査を行うための旅費や謝金、分析のための備品購入費やテープ起こし費用、成果発表のための消耗品購入費として使用する。
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