研究課題/領域番号 |
20K19101
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研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
冨川 順子 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 教授 (90433010)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 精神科救急病棟 / 退院調整 |
研究実績の概要 |
精神科救急病棟で看護師が行う退院調整について明らかにするために、B病院にて1事例にアクションリサーチを実施した。その結果、看護師が行う退院調整としては、入院初期に退院調整における役割をつかむ働き、患者・家族の退院支援の方向性についての意思決定を促進する働き、多職種チームの退院支援の意思決定を促進する働きが行われていた。本事例ではとくに、患者・家族の退院支援の方向性についての意思決定を促進する働きとして、患者と家族のあいだで話し合いができずにいる問題を話し合うための支援を行っていた。また、多職種チームの退院支援の意思決定を促進する働きとして、動いているかわからない職種に進行を確認したり、意思決定に必要な情報の収集を依頼していた。さらに、多職種チームの退院支援を促進する働きとして、多職種スタッフの動きを把握して、多職種スタッフに行ってほしいケアの依頼を行うという働きかけも行っていた。これまでの事例で行っていた退院後の生活についての患者の意思決定を促進する働きについては、入院期間の限界で、患者が納得するところに患者と家族の話し合いを落ち着けるところまでの支援であった。 以上から、入院初期に退院調整における役割をつかむ働き、患者・家族の退院支援の方向性についての意思決定を促進する働き、多職種チームの退院支援の意思決定を促進する働きを行ったところはこれまでの2事例と同じであったが、多職種チームへの働きかけについては、退院支援の意思決定を促進する働きだけでなく、多職種チームの退院支援を促進する働きについて、これまでの2事例より積極的に行っていた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2022年度の新型コロナウイルス流行による影響で病棟閉鎖が複数回起こり、現場における看護師不足が深刻になったため、B病院で行った介入の結果を踏まえてさらに、A病院とB病院で1事例ずつ、これまで明らかにした退院調整内容を実施する研究を予定していたのだが、それを行うことができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでのアクションリサーチで、看護師が行う退院調整の基本的な指針はある程度明らかにできたと考えている。この指針をもとに、A病院1事例、B病院1事例で退院調整を行って退院調整の指針の作成を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の流行にて、予定していた精神科病院の病棟への立ち入り禁止及びスタッフ不足による研究協力への支障ができない期間が続いたことで、予定していた2事例のアクションリサーチの実施が滞り、看護師教育計画作成に至らなかったため、
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