パーキンソン病患者の模擬的な食事場面での眼球運動に関する調査では、動作中のサッケード数が多く観察され、サッケード毎の移動距離も短い傾向があることが示唆された。パーキンソン病では反復運動時に「すくみ」が起こることが報告されており、食事動作中の眼球運動においても同様のことが観察されたと考える。パーキンソン病患者の眼球運動異常の報告は複数見られるが、日常生活動作中の眼球運動についての報告はなく、本結果が示した傾向は数例での報告ではあるが、パーキンソン病患者の機能障害と生活障害を繋ぐ意味があると考える.
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