研究課題/領域番号 |
20K19121
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研究機関 | 関西福祉大学 |
研究代表者 |
高岡 宏一 関西福祉大学, 看護学部, 講師 (70781699)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | トリアージ / 看護師教育 / 臨床判断 / 救急看護 / 救命救急センター / 緊急度判定 |
研究実績の概要 |
本研究の目的はトリアージナースが行う緊急度判定精度を新たなトリアージツールであるEmergency Severity Index(ESI)の導入前後で有用性を比較検証する介入研究である。 緊急度判定において、ツールの判定精度に注目した研究は国際的にも稀であり、本邦におけるESIシステムの導入に向けた検証は未だ報告されていない。本研究はESIの臨床応用を通して、患者の急変予防ならびに診察待機時間の減少に寄与するとともに、看護師の専門性向上に貢献する今までとは異なる新しいアプローチである。 当該年度(2021年度)は一次介入として、予備研究としてまとめた研究成果を救急関連学会で発表した。予備研究の成果としては、ESIを救急部門に導入し導入前後での介入効果および有用性を検証した。研究対象者として11名のトリアージナースが参加した。介入前後での評価者間一致は、全体的な評価者間一致の上昇を認めた。すなわち、ESIによる緊急度判定は、全体的な緊急度判定精度の上昇ならびに緊急を要する患者群への判定精度が高いこと,およびオーバートリアージやアンダートリアージの減少によって、隠れた緊急患者の病状悪化の防止、重症患者の待機時間減少に貢献することが示唆された。 本年度の結果を受けて、次年度は新たな研究協力施設を開拓し、さらなるデータ収集を実施する予定である。ただし、現在も継続する感染症の影響を受け、研究協力施設をする救命救急センターは未だ臨床業務が多忙を極めている。そのため、介入の実施時期を慎重に見極めながら研究計画をすすめていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
前年度から続くCOVID-19による世界的なパンデミックの影響で、救急臨床現場での教育介入が困難な状況が継続している。 そのため、研究計画を見直し、オンライン等を活用することで、慎重に研究介入の開始時期を検討している状況である。本年度は学会発表を通じて、新たな研究協力施設の開拓やわが国のトリアージツールの現状および課題について調査研究に着手している。
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今後の研究の推進方策 |
次年度に向けて、これまでの成果の集約を実施し、より安全で効果的に研究介入を実施できる方法を検討しながら、臨床現場との調整を図っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度においては、COVID-19 の影響で実施予定としていた現地での研究介入が十分に実施できなかったため。
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