本研究では,心身症児の親がどんなストレッサーを有しており,ストレッサーを抱えた親に対してどんなサポートが必要であるかを明らかにする。調査の結果,次の3点が明らかにされた。①身体愁訴のある子どもを持つ親は「理解・対応の困難」,「生活の制約」,「学校との連携困難」,「疾患受容の葛藤」,「将来への心配」の5つのストレッサーを抱えている,②医療機関の治療や専門的な助言は,「疾患受容の葛藤」や「将来への不安」によるストレスを和らげる,③より早期の段階での肯定的な養育行動と家族からのサポートは,その後の子どもの症状や問題行動を軽減し,症状が維持・悪化される家族内の悪循環となるのを防ぐ。
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