研究実績の概要 |
令和3年度は、研究計画調書で示していた「1.臨床助産師の冷え症ケアの実態調査」の実施、回収、集計を行った。 妊婦に対する冷え症ケアの実態を明らかにすることを目的に、助産師の『妊娠期には体を冷やさないよう過ごすように』という考えの認識程度や学習機会、考えへの賛否、冷え症が妊娠に与える影響、冷え症ケアや保健指導の実際について全国実態調査を行った。 サンプルサイズを計算し、病院635施設、診療所248施設、助産所211施設に文書でのアンケート調査依頼を行った。病院190施設、診療所31施設、助産所71施設より同意を得られ、計2,851名の助産師にアンケート配布を行った。5月中に回収が終了し、病院勤務助産師1,422名、診療所勤務助産師141名、助産所勤務助産師135名、計1,698名より回答が得られた(全体回収率59.6%)。 『妊娠中は体を冷やしてはいけない』という認識は1,675名(98.6%)の助産師が知っており、自分自身もその考えを支持する助産師は1,638名(97.8%)であった。冷え症予防・改善を目的とした保健指導の実施率は1,494(88.1%)、ケア実施率は1,136名(68.5%)といずれも高率ととらえられる結果が得らえた。また、冷え症が妊娠に与える影響や、保健指導・ケアの内容について自由記載を得ており、単純集計・テキストマイニングを使用し分析、論文化を行っている。 調査結果は「研究2.深部体温較差が妊娠経過異常に及ぼす影響の調査」の設問内容にも反映し、調査・分析に使用する予定である。
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