研究課題/領域番号 |
20K19130
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
近藤 桃子 三重大学, 医学系研究科, 助教 (50817947)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 冷え症 / 冷え症ケア / 妊婦 / 妊娠 / セルフケア |
研究実績の概要 |
令和4年度は、研究計画調書で示していた「1.臨床助産師の冷え症ケアの実態調査」について、妊婦への冷え症ケア促進を目指し、「妊婦の体を冷やしてはいけない」とする考えの普及の程度や、そのように考える理由および勤務施設別の特徴を、単純統計およびテキストマイニングの手法で明らかにした。 「妊婦の体を冷やしてはいけない」という考えは、全国の助産師の98%以上が知っており、知っている助産師の97%以上が、その考えに同意していた。病院・診療所・助産所勤務の助産師1,287名のデータより、施設に限らず冷えにより切迫流早産等の影響が生じることを理由に挙げ、その影響は切迫流早産やマイナートラブル等の7カテゴリー(①切迫流早産、②マイナートラブル、③妊娠中のトラブル全般、④骨盤位、⑤胎児、⑥分娩、⑦母体)に分けられた。助産所助産師では、体づくりの意識の推奨や、正常経過逸脱への警戒を表す回答が特徴的であった。「妊婦の体を冷やしていけない」という考えは、全国の助産師に普及しており、そう考える主な理由は共通していることが明らかとなった。冷え症ケア促進には、エビデンスの研究・共有が必要であることが示唆された。 以上の内容について、三重看護研究会への論文投稿(三重看護研究会誌第6巻第1号)、およびEAFONS2023(2023年3月10・11日開催の第26回東アジア看護学研究者フォーラム)にてポスター発表を行った。 それ以外の調査結果は「研究2.深部体温較差が妊娠経過異常に及ぼす影響の調査」の設問内容にも反映し、調査・分析に使用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和4年内に、「研究2.深部体温較差が妊娠経過異常に及ぼす影響の調査」の研究計画を行う予定であった。しかしCOVID-19感染拡大の影響で、医療現場がひっ迫している中での臨床助産師への実態調査依頼、並びに感染への不安を持つ妊婦さんへの深部体温測定依頼が難しく、調査期間を大幅に延期することとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
「研究2.深部体温較差が妊娠経過異常に及ぼす影響の調査」については、COVID-19感染拡大の状況を鑑みつつ、妊婦さんが安心して受けられるよう感染予防をより明確にした上で、協力施設への依頼、調査を行いたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の感染拡大による計画の遅延によるアンケート調査や使用機器の購入を遅らせているため。また、国際学会への出席をオンラインとしたため、参加費だけの支出となり、旅費等の費用が生じなかったため。今後の使用計画は、研究に使用する機器の調達および調査、成果発表等に使用する予定である。
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