研究課題/領域番号 |
20K19138
|
研究機関 | 富山県立大学 |
研究代表者 |
北島 友香 富山県立大学, 看護学部, 助教 (00846131)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 助産師 / 超音波検査 / 教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、助産師のフィジカルアセスメントの強化に向けた超音波教育プログラムを構築し、その効果を検証することである。初年度は、超音波教育プログラムを作成するにあたり、助産師に対する超音波教育の課題とニーズを明らかにすることを目的に、文献検討および国内の産科病院・助産教育課程を有する教育機関への質問紙調査を実施する計画であった。質問紙調査に先立ち文献検討を開始したが、本年度中に質問紙調査の実施までには至ることができなかった。 文献検討では、医学中央雑誌、PubMed、CHINALで「助産師」、「周産期」、「超音波」、「超音波診断」、「教育」等をキーワードに文献検索を行い、検索結果のうち、助産師によるエコーの実施状況や助産師を対象とした超音波教育の状況に関する文献を抽出した。国内では、原著論文の多くが2010年以降に発行されていた。助産師外来の普及に伴い、妊娠中の胎児の観察を目的に超音波検査を行う助産師は多いが、近年では、胎児の観察以外にも分娩進行の評価や産後の残尿評価、産後の骨盤底筋評価など、活用の幅は広がりつつある。超音波検査の経験がある助産師は増えているものの、超音波に関する知識や技術に自信はなく教育が不十分と感じる助産師が多く、超音波検査の基礎からの学習を望んでいる助産師が多いことが明らかとなった。さらに、超音波検査に必要な技術や知識の習得だけでなく、対象への配慮や、倫理面や責任説明の認識など、専門職としての責務を果たすことも課題として見出された。 また、最終年度に行う予定である教育プログラムの効果の検証について、適切に超音波操作ができており、得られた画像で描出部位を認識できているかどうかを評価する方法を検討した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
感染予防対策をしながらの教育活動がひっ迫し、その他の研究活動の計画にも遅れが生じたことに伴い、当初の計画通りに研究活動の時間を確保することが困難であった。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度は、文献検討の結果をふまえて質問紙調査を作成し、全国の産科病院および助産教育課程を有する教育機関を対象に助産師の超音波検査および超音波教育の実態を調査する。その結果から、我が国の特性(課題、ニーズ)を見出し、その特性に合わせた教育プログラムの素案を作成する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に実施する予定であった、全国の産科病院や助産教育課程を対象とする質問紙調査が実施できなかった。また、学会参加のための旅費を計上していたが、すべてオンライン開催となったためそれらの費用が次年度使用額として生じた。次年度に、全国調査および成果報告、教育プログラムの素案作成のための専門家との会議に使用する。
|