研究課題/領域番号 |
20K19140
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
川崎 ゆかり 北海道医療大学, 看護福祉学部, 助教 (00585755)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 保健師 / 妊婦 / 新生児 / スキンケア |
研究実績の概要 |
保健師を対象に子どものスキンケアに関する知識と保健師が行う母親を対象にした子どものスキンケア指導内容の現状を明らかにすること目的とした無記名自記式質問紙調査を行った。2018年の出生数が24人以上だった124の市町村で母子保健を担当している保健師934人を対象者に2020年1月から3月に調査した結果を公表した。1つ目が「母親への子どものスキンケア指導時における保健師の困りごと」を主題とし、北海道医療大学学部学会誌で発表した。保健師の困りごととして、96の記録単位,21の同一記録単位群,【各機関におけるスキンケア指導のちがい】【受診の勧奨がスムーズにいかないこと】【母親が薬剤の使用に抵抗感を持っていること】【母親・家族が子どもの皮膚状態の改善のための行動に至らないこと】【自身のスキンケア指導に必要な知識と技能の不足】【自身のスキンケア知識を修得する難しさ】の6カテゴリが形成された. また、「保健師が母親に行っている子どものスキンケア指導の現状」を北海道医療大学学部学会学術集会で発表した。保健師が行っているスキンケア指導は、1.保健師が行う母親への子どものスキンケア指導の場面は新生児訪問が最も多かった2.スキンケア指導の方法として,母親や保健師が実践すると回答したのは2割に満たなかった。 令和3(2021)年2月に、乳児における湿疹および食物アレルギー予防のためのスキンケア介入として、保湿剤を毎日塗布することでアトピー性皮膚炎(以下ADとする)が予防できるかというテーマで行われた研究によって、「新生児期からの保湿剤使用はADの発症予防に働かない」という結果が発表された。そのため、エビデンスがあるスキンケアと考えていたものが否定され、研究実施計画の見直している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
令和3(2021)年2月に、乳児における湿疹および食物アレルギー予防のためのスキンケア介入として、保湿剤を毎日塗布することでアトピー性皮膚炎(以下ADとする)が予防できるかというテーマで行われた研究によって、「新生児期からの保湿剤使用はADの発症予防に働かない」という結果が発表された。そのため、エビデンスがあるスキンケアと考えていたものが否定され、研究結果を公表することについて検討をしている状況である。また、エビデンスのあるスキンケアを研究者が自治体の保健師に伝え、その内容を保健師が妊婦へ指導し、その後の皮膚の状態の経過をみる介入プログラムについても、エビデンスのあるスキンケアについて確立しなければ、実施できない状況の為、再検討する必要がでてきた。 さらに、新型コロナ感染の拡大が市町村の保健師業務に多大な影響が出て来ていることを考えると、介入研究を行うための準備も再検討する必要があり、検討を進める。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は妊婦を対象に出産前から子どものスキンケア講習を実施することにより、母親が新生児期から子どもに適切なスキンケアを継続できるための介入プログラムの効果を明らかにするために、再度、新生児期から始めるスキンケアに関するエビデンスの情報収集をする。そのために、関係学会への参加や文献検討を進める。また、同時に介入研究で協力いただく自治体の確保や介入プログラムを行うための準備または、新型コロナ感染拡大による影響を踏まえ研究方法の変更も検討し、研究を進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度計画していた介入研究を行えなかった。そのため、介入方法を検討し、次年度調査をする予定である。その際に、交通費や人件費・謝金が生じるため、499,972円を使用する。ただ、方法について再検討中であるため、詳細な記載が難しい。 令和5年度の助成金については、申請した時の通りに使用する予定である。
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