研究課題/領域番号 |
20K19145
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
肥田 典子 昭和大学, 医学部, 講師 (30621742)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ミニタブレット / 剤形変更 / 小児臨床薬理学 / 薬物動態 / アスピリン |
研究実績の概要 |
小児の薬物治療における内服薬の重要性は極めて高い。今回、我々が着目したミニタブレットは、口腔内で容易に崩壊せず、原薬の味をマスキング可能な上、発達の段階に応じて投与量調整が可能である。しかし、これまで散剤をミニタブレットに剤形変更した際の薬物動態については検討されていない。将来的にはミニタブレットを小児に適応することを想定しているが、本来得られる薬効が期待できるのか、薬物動態の差がないのか、まずは健康成人を対象にアスピリン散剤とミニタブレットの薬物動態比較試験を行うべく計画を立案した。令和2年度の研究の進捗は以下の通り。 1.アスピリンミニタブレットの作成:昭和大学薬学部基礎医療薬学講座の協力を得て、昭和大学内の施設を利用し、ミニタブレットを作成した。同研究室にて基礎的実験を重ね、製剤的検討を行った。その結果、薬物動態がほぼ同じになるようなミニタブレットが完成した。 2.アスピリン血中濃度測定系の確立:昭和大学薬学部基礎医療薬学講座が保有するLCMS/MSを用い、薬物血中濃度の測定系を確立した。 3.特定倫理委員会申請のための準備:倫理員会申請資料の作成と協力部署と連携調整を行った。審査申請資料の作成を行い、学校法人昭和大学臨床研究審査委員会にて承認を受けている。特定臨床研究の実施に必要な倫理審査・事務手続きはすべて完了しており、いつでも投薬試験が実施可能な状態である。 4.結果の解析に必要な薬物動態解析の準備:次年度、薬物血中濃度の測定が終了した後、いつでも解析が開始できるよう準備を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りの進捗である。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は、投薬試験を行い、薬物血中濃度の測定を行う。 1.投薬試験:昭和大学臨床薬理研究所にて健康成人6名を対象に行う。試験参加者は、臨床薬理研究所で行う治験に準じ、昭和大学創薬ボランティアパネルを用いて募集する。 2.血液中アスピリン濃度測定:昭和大学薬学部基礎医療薬学講座が保有するLC-MS/MSを用い、血中薬物濃度を測定する。
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次年度使用額が生じた理由 |
薬物血中濃度の測定に必要な物品の購入を今年度に行わなかったため。次年度に購入を予定する。
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